週刊税務調査日記

拍子抜けした調査(1)

第340号 2009/5/20

ソフトウエア製作会社に税務調査に入るとの連絡がありました。

さっそく納税者に連絡を入れます。

■会計事務所

「社長、税務調査の連絡がありました」

▲納税者

「ぜっ 税務調査ですか?」

「え~本当ですか?」

■会計事務所

「ええ 再来週に調査をしたいと言っています」

▲納税者

「先生、心配なことがあるので、来週でもお時間をいただけますか?」

■会計事務所

「ええ 分かりました」

この会社には7年前に税務調査が入っています。

それ以来の調査になります。

社長の動揺具合から、相当心配なことがあるのでしょうか・・・

翌週、社長と経理担当者が事務所に来ました。

■会計事務所

「何か心配なことでもあるのですか?」

▲納税者

「ん~それほどのことではないですが・・・」

「チョッと退職金が・・・」

■会計事務所

「前年は確かに従業員の退職金が出ていますね」

「2人退職して、約1千万円の退職金が出ています」

▲納税者

「そうなんです」

■会計事務所

「退職所得の受給に関する申告書を出していないのですか?」

▲納税者

「いいえ、出しています」

■会計事務所

「退職金から天引きした税金の計算が間違っているのですか?」

▲納税者

「間違っていません」

■会計事務所

「では、何を心配しているのですか?」

▲納税者

「辞めていないんです・・・」

■会計事務所

「えっ、辞めていない!」

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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