▲納税者
「税務署の言うとおりに修正申告をすると600万円も追加で納めなくてはならないなんて、無茶苦茶ですよね」
「私は納得できないですね」
■会計事務所
「確かに厳しい処分ですね」
▲納税者
「退職金規程だって、税務署が持っている規程の存在自体、我々は知らなかったですから」
■会計事務所
「そうですよね」
「まぁ だけれども こちらもちょっと強引な処理をしていますからね」
▲納税者
「ええ 確かに それは・・・」
「すみません、ちゃんとご相談してからやればよかったです・・・」
■会計事務所
「もうやってしまったことですから、なるべく修正額が少なくなるように粘り強く頑張りましょう」
▲納税者
「お願いします」
その後、税務署と我々との間で、かなり厳しい応酬がありましたが、こういった問題は、程度問題ですので、なかなか落としどころが見つかりません。
お互い感情的になって、しばらく双方とも連絡がしにくい状況になりました。
▲納税者
「先生、何か税務署との関係がこう着状態になってしまいましたね」
「正直言って、毎日税務署のことを考えるとよく眠れなくって困っています」
■会計事務所
「え~そうなんですか」
「我慢比べですから、もっとしっかりしてください」
▲納税者
「いや~ もう この辺で何とか決着してもらえないですか・・・」
■会計事務所
「そうですか」
「では、私から税務署に電話してみましょうか?」
▲納税者
「ぜひ そうしてください」
ということで、税務署に電話したところ、先方もちょうど困っていたようで、私どもの事務所に数日後、統括官、上席調査官、調査官と3人でやって来ました。
●税務署
「この度はお手数をおかけしまして、申し訳ございません」
初めて会う統括官が丁重に挨拶します。
■会計事務所
「こちらこそ、ご面倒をおかけしております」
こちらも丁重に挨拶します。
もう、今日で決着をつけるべく、税務署は妥協案を提示してきました。
納税者も納得しそうな案でしたので、それを受け取り、お引取り願いました。
数日後、その妥協案を持って納税者に説明します。
▲納税者
「いや~ もう これで済むなら、これでお願いします」
「先生、この件で5キロ痩せました」
■会計事務所
「ダイエットできたわけですね?」
これで一件落着です。
修正申告をして、追加で納税しておしまいです。
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