社長宅を実際に見に行ってからしばらくして、調査官から税務署まで来てほしい旨の連絡がありました。
社長と一緒に税務署に向かいます。
税務署側は、統括官と担当の調査官が出てきました。
●税務署
「社長の自宅を事務所として使用している件ですが、使用実態に比して会社が支払っている家賃額が高すぎると思います」
▲納税者
「いいえ、私はそうは思いません」
「妥当な金額だと思っています」
●税務署
「実際に仕事で使っている面積はどのくらいだとお考えですか?」
▲納税者
「面積ですか?」
「私の書斎はおよそ15平米くらいです」
●税務署
「そうすると全体の床面積が70平米でですから、使用面積の比率はおよそ21%になります」
「家賃が月50万円ですから、その21%で105,000円が妥当な金額ではないでしょうか」
「20万円の家賃は高すぎます!」
▲納税者
「自宅の駐車場も家賃に入っているわけですから、高すぎるということはありません」
●税務署
「自宅周辺の月極めの駐車料金はだいたいどのくらいですか?」
「1万円から2万円くらいではないのですか?」
▲納税者
「青空駐車場とは比較できません」
「雨に濡れないように屋根も付いている駐車場ですから」
●税務署
「それにしても月20万円は高すぎると思いませんか?」
▲納税者
「思いません」
●税務署
「先生はどう思われますか?」
■会計事務所
内心、「高すぎる」と思っていますが、ここは納税者の援護をしなくてはなりません。
「ん~難しい問題ですが、実際に自宅を事務所として使っている本人が一番よく分かっているわけですし、家賃を面積割合だけで決められるわけでもないですよね」
その後、約1時間半にわたり「高い」「高くない」の応酬があり、最後は次年度の申告から家賃を下げるということでお互い合意して税務署を後にしました。
税務署の帰り社長に聞いてみました。
■会計事務所
「社長は家賃が高すぎるとは思いませんか?」
▲納税者
「ええ 思いますよ」とニヤリとして言いました。
■会計事務所
「・・・・・」
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。