税務署は不動産の貸付が、事業的規模を判断する形式基準である5棟10部屋基準に満たないから、不動産所得にかかる青色申告特別控除を認めないと言っています。
不動産所得の場合、記帳を複式簿記で行っていても、不動産の貸付事業が事業として行われていなければ、65万円の青色申告特別控除を適用することができません。
所得税法では、建物の貸付が事業的規模であるかどうかの判定基準として次の2つの基準を定めています。
(1)貸間、アパート等については、貸与することができる独立した部屋数が
おおむね10以上であること
(2)独立家屋の貸付については、おおむね5棟以上であること
これが、5棟10部屋基準といわれるもので、いずれかの基準を満たしていれば、規模を問わず不動産の経営が事業として行われているとみなされます。
税務署は、この基準を満たしていないから、青色申告特別控除を受けられないと言っているのです。
●税務署
「5部屋しかないわけですから、同族会社への建物の貸付は、事業的規模といえないと思いますが?」
■会計事務所(三島)
「それは、5棟10部屋の形式基準に合わせて物を言っているからそうなるんですよ」
「税法では、賃貸料の収入状況、貸付資産の管理の状況等からみて事業的規模であるかどうか判断するとしていますよね?」
●税務署
「はぁ・・・」
■会計事務所(三島)
「月額150万円も家賃をもらっているんですよ」
「年間にすると1,800万円」
「これが事業でなくて、何が事業なのですか?」
●税務署
「あれ、年額で150万円でしたよね?」
■会計事務所(三島)
「いいえ 月額です」
どうも、この調査官は年額150万円の家賃しかもらっていないと勘違いしているようです。
●税務署
「でも、家賃収入が多いからといって事業的規模とは単純に判断できないのですが」
■会計事務所(三島)
「こちらは、そう判断しているのです」
「では、何で10年間もの間、母の住所地の所轄税務署である晴海税務署では何も言ってこなかったのですか?」
●税務署
「そんなことを言われても・・・」
■会計事務所(三島)
「税務署によって取扱が違うのですか?」
●税務署
「いや そんなことはないのですが・・・」
■会計事務所(三島)
「身内で話をつめてからまた電話していただけますか?」
と言って三島は電話を切ってしまいました。
注)三島は、当事務所最強の女性税理士です。
To be continued
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