OB先生との昼食も終わり、午後から帳簿調査の開始です。
●税務署
「総勘定元帳と請求書の控を用意してください」
▲納税者
「わかりました」
しばらくすると、女性事務員が帳簿と請求書の控を抱えて持ってきました。
若い調査官はさっそく帳簿調査の開始です。
一方、統括官はというと・・・案の定、OB先生に捕まっています。
◆OB先生
「彼はどうしている、彼は?」
●税務署(統括官)
「ええ、××さんは元気にやっていますよ」
◆OB先生
「へ~、そうかい。こんどゴルフに行こうって言っておいて」
●税務署(統括官)
「はい、分かりました。申し伝えます。」
◆OB先生
「で、彼はどうした?」
こんな調子でOB先生は昔の仲間の話に夢中です。
応対している統括官はまだ緊張した様子で受け答えをしています。
どちらが税務調査を受けているのか分からない状態です。
●税務署
「あの~ この取引の領収書を見せていただけますか?」
▲納税者
「分かりました」と言って女性事務員に内線電話を掛けています。
女性事務員が持ってきた領収書を若い調査官は一生懸命に調べています。
●税務署(統括官)
「では先生、私は局に戻らなければなりませんので、これで失礼いたします」
◆OB先生
「えっ。もう帰っちゃうの?」
●税務署(統括官)
「すみません。会議があるもので・・・」
と言って統括官は帰っていきました。
◆OB先生
「なんだ・・・、じゃ先生、私も失礼するから!」
と言ってOB先生もお帰りです。
会社の経理担当者と一緒にエレベーターホールまでお見送りに行きます。
OB先生は満足げに帰っていきました。
▲納税者
「先生、さすがにOB先生の威力はすごいもんですね?」
■会計事務所
「そうですね」
「いつもは敵である調査官がなんだかかわいそうになっちゃうよね」
▲納税者
「そうですね」
「かなり、やりにくそうですね」
部屋に戻ると若い調査官は帳簿調査に没頭しています。
■会計事務所
「OB先生がいると調査もやりにくいでしょう?」
●税務署
「ん・・・確かに・・・そうは言えますよね」
■会計事務所
「お茶にしましょうか?」
「一息入れましょう」
●税務署
「はい。は~~」と深いため息を若い調査官はつくのでありました。
本当にご苦労サンです。
To be continued
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