お母さんが同族法人から給料をもらっていたということが分かり、再度納税者宅において事実の確認が始りました。
お母さんは、かなり昔からお父さんの会社から給料をもらっていたみたいです。
■会計事務所
「お母さんは何にもしなかったけれども、給料をもらっていたんですね?」
▲納税者(お母さん)
「そうです」
●税務署
「お母さんは働いたことないって、言っていましたよね?」
■会計事務所
「働いたことがないけれども、給料はもらっていたということですよね?」
▲納税者(お母さん)
「そういうことです」
●税務署
「会社の経理の方にいつごろから、いくらもらっていたのか確認したいのですが・・・」
▲納税者(息子)
「電話して、こちらに来てもらいましょうか?」
●税務署
「そうですね」
息子さんが電話して、しばらくすると同族会社の経理部長が来ました。
■経理部長
「これが賃金台帳です」
「もう20年以上前からお母さんへの給料の支払いはこのとおりあります」
●税務署
「今まで法人の税務調査で問題にならなかったのですか?」
■経理部長
「問題になったこともありました」
「しかし、もっと大きい問題が別にあって、結局お咎めなしで今まで来てしまいました」
●税務署
「そうですか・・・」
■会計事務所
「こうなると、ご指摘の相続財産の計上漏れは大きく違ってきますよね?」
●税務署
「そうですね・・・」
「お母さん名義の財産については、相続財産に含まれるということはありません」
■会計事務所
「となると、最終的にはどうなりますか?」
●税務署
「・・・」
「最終的な結論は署に帰りまして、上司と相談してお知らせします・・・」
その後、税務署から連絡がありました。
「これで調査を終了します」
大きく落とした爆弾は、結局不発弾でした。
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