脱税の手口が判明し、これからはその証拠固めと脱税額の確定です。
通常の税務調査とは大違いです。
調査官は皆、殺気立っています。
無駄口をたたくような雰囲気ではありません。
皆、集中して書類をひっくり返しています。
これは大変な作業です。税務調査官も大変です。
私もこのような調査の立会いは初めてでしたので、向学のため調査責任者にいろいろ聞いてみました。
■会計事務所
「国税局の資料調査課はどのような組織なのですか?」
●税務署
「資料調査課は査察部門が調査するほどでもないが、かなり悪質な脱税案件に関して調査する部署です」
「資料調査課は指導を中心とする部署と、調査を中心とする部署に分かれていて、今回は指導を中心とする部署が来ています」
■会計事務所
「これは任意調査ですよね?」
●税務署
「そうです」
■会計事務所
任意調査とは、基本的に通常の調査と変わらないものです。
ですから、拒絶することも当然できるわけです。
「拒絶する納税者の方もいるのですか?」
●税務署
「納税者が拒絶するよりも、関与している顧問の税理士さんが拒絶させることがあります。」
■会計事務所
「その場合は、どうするのですか?」
●税務署
「時間をかけて説得します」
■会計事務所
「そうですか」
こんな感じで話せるのも、今回の納税者の顧問でもなく、決算のときに申告書だけを作成していたという気軽さからです。
これが毎月の顧問であったら、税務署も「お前もグルだな」という前提で調査をすることでしょう。
今回の調査でも、税務署は最初にこちらを相当疑っていたことは間違いありません。
しかし、調査が進むにつれその疑いは晴れ、以上のような会話ができるようになったのです。
To be continued
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