週刊節税教室

海外へ支払うロイヤリティー

所得税
第419号 2013/9/3

☆質問 

「先日海外の法人と特許のライセンス契約を結びました。今後特許の使用に応じてロイヤリティを支払うことになります」

★回答

「いわゆる工業所有権の使用料を支払うことになるのですね?」

☆質問 

「そのとおりです」

「国内在住の個人に使用料を支払う場合には、所得税を源泉徴収する必要があると聞きました。海外へ支払う場合も同様でしょうか?」

★回答

「同様です」

「ただし海外へ支払う場合は、個人はもちろん法人も対象になります」

☆質問 

「源泉徴収は何%でしょうか?」

★回答

「原則として支払額の20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)になります」

☆質問 

「支払先は米国の法人ですが、源泉徴収を免除される方法はありませんか?」

★回答

「米国であれば日本と租税条約を結んでいます。これは海外で二重に課税されるのを避ける為に設けられたものです」

「租税条約が適用になることで、使用料については一定の手続きを行えば免除されます」

☆質問 

「どういった手続きでしょうか?」

★回答

「使用料を支払う日の前日までに届出を提出することになりますが、具体的な方法は次号説明することにしましょう」

☆質問 

「お願いします」

「他にも源泉徴収すべき海外への支払はありますか?」

★回答

「例えば法人が海外在住の個人や法人から国内の不動産を借りる場合や海外在住の役員に報酬を支払う場合は源泉徴収する必要があります」

「また海外からソフトウェアを複製し販売する権利を購入し、販売量に応じて使用料を支払う場合も対象になります」

☆質問 

「なるほど」

★回答

「最近はインターネットを通じて海外取引が簡単になりました。新たな取引を開始する際には必ず源泉徴収が必要か確認して下さい」

☆質問 

「よく分かりました」

税理士 吉田 斉
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為