週刊節税教室

小規模宅地特例の改正(1)

相続税
第383号 2010/5/10

☆質問

「平成22年の改正で、土地の評価方法に関する改正があったと聞きましたが、どのような改正なのですか?」

★回答

「小規模宅地の評価減の特例に関する改正です」

☆質問

「小規模宅地の評価減の特例って何ですか?」

★回答

「相続税の計算における土地の評価において、一定の要件に当てはまる事業用宅地や居住用宅地について、評価額を80%引きや50%引きする特例制度です」

☆質問

「1億円の評価である土地が80%引きで2千万円の評価になるということですから、納税者からすればかなり有利な特例ですね?」

★回答

「そうです」

「この特例を受けられるか受けられないかで、相続税がかかるか、かからないかが決まることがよくあります」

☆質問

「なるほど」

「まず、この特例の仕組みから教えてもらえますか?」

★回答

「わかりました」

「被相続人(故人)の土地で、被相続人や生計を一にする親族、一定の同族法人が事業をしていた場合に、相続人がその土地を取得するとともに事業を継続することによって、土地の相続税評価が400平米を上限に80%引きになります」

「また、被相続人の土地に、被相続人や生計を一にする親族が居住していた場合に、相続人がその土地を取得して居住を継続することにより、土地の相続税評価が240平米を上限に80%引きになります」

☆質問

「なるほど」

「で、改正されたのは?」

★回答

「事業用と居住用のいずれも被相続人が事業や居住を継続することが要件となっていますが、この要件を満たせない場合、つまり事業も居住も継続しない場合でも、200平米までの土地の相続税評価を50%引きする扱いになっています」

「この扱いが改正により廃止されます」

☆質問

「相続人が事業や居住を継続しない場合は、一切相続した土地の特例による評価減をすることができないということですね?」

★回答

「そのとおりです」

☆質問

「小規模宅地の特例で、他にも改正はあるのですか?」

★回答

「あります」

「次回説明します」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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