週刊節税教室

住宅取得等資金贈与の特例の改正

相続税・贈与税
第379号 2010/2/1

☆質問

「平成22年度の税制改正において、住宅を取得するための資金を贈与した場合の税制が変わったと聞きましたが、どのように変わったのですか?」

★回答

「父母、祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税限度額が引き上げられました」

☆質問

「改正前は500万円まで非課税だと思いましたが、それがいくらまで引き上げられたのですか?」

★回答

「平成22年度中の贈与については1,500万円に、平成23年度中の贈与については1,000万円に引き上げられました」

☆質問

「それはすごいですね」

「住宅市場の底上げを狙った政策的な減税ですね?」

★回答

「そのとおりです」

「でも、改正で贈与を受ける者の所得が制限されました」

☆質問

「所得がいくらだとこの特例を受けられないのですか?」

★回答

「合計所得が2,000万円超だと改正後の非課税限度額の適用がありません」

「ただし、平成22年度に限って改正前の制度と改正後の制度を選択適用できますので、平成22年度の合計所得が2,000万円を超えている人は、改正前の制度を適用して500万円の非課税限度額を使えます」

☆質問

「なるほど」

「改正後の新制度と相続時精算課税制度を併用すると、贈与税がゼロでいくらまで住宅取得資金を親から子へ贈与できますか?」

★回答

「改正で相続時精算課税制度における住宅取得資金贈与の場合の1,000万円の上乗せ額が廃止になりましたが、贈与者である親の年齢が65歳未満でも適用できる規定は延長されました」

「相続時精算課税制度の非課税枠が2,500万円ありますので、贈与税がかからない住宅取得資金の贈与額は、

 平成22年度が2,500万円+1,500万円の4,000万円、

 平成23年度が2,500万円+1,000万円の3,500万円

                  となります。

☆質問

「なるほど」

「この制度をうまく使えば、夢のマイホームも夢ではないですね」

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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