☆質問
『デザインの製作会社を経営しているのですが、来期より消費税の納
税義務が発生します』
『同業者から聞いた話では、従業員を外注扱いにすると消費税が安く
なるというのですが、これはどういうことですか?』
★回答
まず、消費税納税額の計算の仕方を説明します。
消費税納税額は売上代金と一緒に「預った消費税」から、経費などの
支払に含まれる「支払った消費税」を差し引いて計算されます。
ですから、消費税が安くなるためには、「預った消費税」が少なくなる
か、「支払った消費税」が多くなることが必要です。
☆質問
『従業員を外注扱いにすると消費税が安くなるということは、「支払っ
た消費税」が多くなるということですかね?』
★回答
結果的にはそういうことになります。
ポイントは、給料には消費税がかからなくて、外注費には消費税がか
かるということです。
☆質問
『簡単な例題で教えてください』
★回答
そうしましょう。
売上高が2千万円で、従業員の給料が1千万円の会社を例にします。
消費税の計算をすると、売上高2千万円に含まれている「預った消費
税」は2,000万円×5/105=95万円と計算されます。
一方、給料には消費税がかかりませんので、「支払った消費税」は0円
です。
従って消費税納税額は 95万円-0円=95万円 です。
☆質問
『では、従業員が外注扱いになるとどうなるのですか?』
★回答
従業員の給料1千万円がそのまま外注費になったとします。
「預った消費税」は、同じく2,000万円×5/105=95万円です。
外注費には消費税がかかりますので、外注費1千万円に含まれている
「支払った消費税」は1,000万円×5/105=47万円と計算されます。
すると、消費税納税額は 95万円-47万円=48万円 と計算されます。
☆質問
『給料を外注費とすることで、48万円も消費税が安くなったということです
ね?』
★回答
そういうことです。
☆質問
『こんな簡単なことで消費税が安くなるんだったら、誰でもそうしたいと思
いますよね?』
★回答
確かに消費税だけのことを考えるとそう言えますが、勘定科目を給料か
ら外注費に単に変えればよいというわけではありません。
実態が伴わなければなりません。
この点については次週説明します。
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