週刊節税教室

会社設立日と決算日

法人税
第89号 2003/6/23

☆質問

『会社の設立手続きを自分でやったのですが、困ったことになってしまい

ました』

★回答

どうしたのですか?

☆質問

『会社の設立日を6月18日としたのですが、決算日を自分の誕生日である6月

30日にしてしまいました』

『すると、このままでは設立日から6月30日までの12日間だけの決算をして

税務申告もしなくてはならないみたいなんですが、本当ですか?』

★回答

そのとおりです。

決算日を定款で定めるには税務申告のことも良く考えて決めなくてはなりま

せん。

☆質問

『決算と税務申告を会計事務所に頼むとかなりの報酬となるのですよね?』

★回答

そうですね。

期間が短くても作成する書類は一緒ですから、報酬もかなりかかります。

☆質問

『ウワー 大変だ。もう定款は認証されてしまったし、登記所へも提出して

しまいましたが、何とかなりませんか?』

★回答

奥の手があります。

☆質問

『え、本当ですか?ぜひ教えてください』

★回答

6月18日から6月30日の間で、臨時株主総会を開催します。

この臨時株主総会で、決算日を変更します。

例えば、決算日を5月31日に変更すれば、設立第1期の決算は平成16年6月18日から平成

17年5月31日になります。

定款の変更は商法343条により株主総会へ過半数の株主が出席し、出席株主の3分の2以上

の賛成多数による決議が必要となります。

いわゆる特別決議が必要です。

☆質問

『特別決議によって定款を変更したら、そのあとはどうしたらよいのですか?』

★回答

臨時株主総会の議事録のコピーと決算日を変更したことを届け出る異動

届を税務署と都税事務所(東京都の場合)に提出します。

こうすれば、超短い決算をしなくてすみます。

☆質問

『早速、手続きをとります』

『あ~よかった!』

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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