インボイス制度ですが、制度開始まで1 年となりました。
2022 年8 月末時点での登録件数は994,317 件(出所:国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」)。
消費税の納税義務のある法人や個人事業主など、約300 万件に対し、まだまだ登録が進んでいない状況です。
2023 年10 月1 日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(インボイス制度)が導入されます。
インボイス制度の下では、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(インボイス)等の保存が消費税仕入税額控除の要件となります。
適格請求書とは、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいいます。
適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
適格請求書発行事業者になるには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」といいます。)を提出し、登録を受ける必要があります。なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできません。
免税事業者は課税事業者を選択すればこの登録を受けることができますが、消費税の申告納税が必要になります。
インボイス制度が導入される2023 年 10 月1日から登録を受けるためには、原則として、2023年3 月 31 日までに登録申請書を提出する必要があります。
適格請求書発行事業者は、登録番号や適用税率と税率ごとの消費税額など所定の事項が記載された請求書や納品書などの書類を交付しなければなりません。
売手は、一定の場合を除き、取引の相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務及び交付した適格請求書の写しを保存する義務が課されます。
適格請求書の保存及び一定事項の帳簿への記載(会計データ入力の際に摘要欄へ入力)が仕入税額控除の要件となります。
来年の2 月から3 月頃になると、駆け込みでの登録申請が集中し、登録完了までに通常より長い時間を要する可能性があります。
まずは、登録するかどうか検討するとともに、登録する場合には、なるべく早めの申請をしましょう。
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