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事業者向け給付金

第330号 2021年11月

1. はじめに

昨年、コロナ感染症の拡大により、売上が前年同月比で 50%以上減少している事業者向けに、持続化給付金という制度がありました。

最大で法人が 200 万円、個人事業者が 100 万円の給付を受けられる国の制度です。

政府は、今月の 11 月 19 日に閣議決定する経済対策に、持続化給付金並みの給付を盛り込むことを予定しています。

現時点では、詳細が判明していませんが、把握できている情報をお知らせします。

2. 新たな給付金の対象は?

今後、給付がスタートする新たな給付金は、地域や業種を問わず、今年 11 月から来年 3 月の 1ヵ月の売上が前年か 2 年前と比べて、月単位で大幅な減収になった事業者を対象としています。

減収率に 50%と 30%の 2 つの基準を設け、それぞれ給付額を設定する仕組みとなっています。

3. 減収で最大 250 万円?

50%以上の減収の場合、年間売上高に応じて、以下のように給付額が変動します。
(個人事業者には最大 50 万円を給付)

① 年間売上高 5 億円以上の法人
最大 250 万円を給付
② 年間売上高 1 億円以上 5 億円未満の法人
最大 150 万円を給付
③ 年間売上高 1 億円未満の法人
最大 100 万円を給付

昨年の持続化給付金は、減収率が 50%以上でないと給付は受けられませんでした。

一方、減収率が 50%以上の場合と比べて、給付額は少なくなりますが、新たな給付金はこの要件を緩和し、減収率が 30%以上 50%未満の場合も給付対象としています。

4. 不正受給の調査

昨年の持続化給付金については、現在、不正受給の調査を行っており、ここ数日、不正受給に関する報道が散見されます。不正受給した者は 714者、不正受給総額は約 7 億 1,657 万円です(中小企業庁)。

不正受給が相次いだ反省を踏まえ、新たな給付金については、事前確認を徹底し、今までよりも審査を厳格に行うことが予定されています。

5. 月次支援金

上記の新たな給付金とは別で、現状申請可能な給付金としては、今年の 6 月から申請がスタートしている月次支援金という制度があります。

この制度は、緊急事態宣言等に伴う飲食店の休業等又は外出自粛等の影響を受けている特定の事業者向けに、法人は 1 ヵ月あたり最大 20 万円、個人事業者が最大 10 万円を給付するというものです。

9 月分の申請期限は 11 月 30 日、10 月分の申請期限は来年 1 月 7 日となっていますので、申請対象の場合には、ご注意ください。

6. おわりに

今回の新たな給付金は、補正予算成立後、令和3 年度中にも給付をスタートする見通しとのことですので、詳細が判明次第、別途お知らせいたします。

アトラス総合事務所 税理士 黒川 洋介
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