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在宅勤務の費用負担

第320_1号 2021年1月

1.はじめに

会社に出社しないで自宅でリモートワークをする在宅勤務が、このコロナで日常となりました。国も在宅勤務を7割とする目標を掲げています。家で仕事をするわけですから、当然仕事をする上での費用が発生します。パソコン、インターネット接続料金、電気代等の費用です。これらは会社で負担してもらうべきものですが、その税務上の取り扱いについて説明いたします。

2.パソコン代

自宅で仕事をするにはパソコンが必須アイテムとなります。会社で使っていたパソコンをそのまま自宅に持っていく場合は、何も費用負担は発生しませんが、会社が自宅用にパソコンを購入して社員に支給した場合はどうでしょう?「仕事で使って、あとはご自由に」という場合は、パソコンの購入代金が社員への給与となります。一方、「仕事のために貸与しますので、仕事で使わなくなったら返してください」という場合は、給与課税はされません。

3.在宅勤務手当

在宅勤務手当は、自宅で仕事をするにあたって生じる費用の補填を目的とした手当です。1日当たり 150 円とか、月額 4,000 円といった感じで給与支給時に支給されます。

この在宅勤務手当ですが、給与とともに支払って、そのまま渡し切りということであると給与として課税されます。

給与として課税されないためには、手当を渡し切りではなく、在宅勤務で生じた費用を社員ごとに報告させて、会社が業務で使用した社員の在宅費用を把握する必要があります。

4.在宅費用の把握

自宅で仕事をして、毎月の電気代のうち仕事で2,800 円、私用で 3,200 円というように計算することなんて到底できません。そこで遅ればせながら国税庁も在宅費用の簡便的な取り扱いを1月15日に発表しました。在宅手当のうち、業務で使用した費用の額までは給与課税されません。

5.電話料金、インターネット接続料

まず、通話料については、通話明細で判明する業務に使った通話料は当然業務のための費用、それ以外の通話料と基本使用料は、次の算式で求めた金額を業務で使用した費用とします。

(基本料、通信料) × 在宅勤務日数 × 1/2 業務で使用した通信費等
その月の日数

なお、この式で電話の通話料を計算することができるのは、仕事で電話をする機会が多い業務として会社が認める社員だけとのことです。

6.電気料金

自宅の電気料金については次の算式で求めた金額を業務のために使用した費用とすることができます。

(基本料、電気使用料) × 業務使用自宅床面積 × 在宅勤務日数 × 1/2 業務で使用した電気使用料等
自宅床面積 その月の日数
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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