平成最後の税制改正大綱が12月 14日に発表となりました。来年 10 月から引き上げられる消費税対応が主たる内容で、個人事業の承継対策も新たに手当てされています。
現行はローン残高の1%を 10 年間、税金から控除できますが、改正では控除期間を 13 年として、11 年目から不動産の購入価額の 2%を 3 等分した額とローン残高の1%の低い方の額を 13 年目まで控除できるようになります。
この改正が適用されるのは、19 年 10 月 1 日から 20 年 12 月 31 日までに入居した場合です。
法人事業者の事業承継税制については、昨年の改正によりかなり利用しやすくなりました。個人事業者についても、法律により認定を受けることにより、相続財産となる個人事業で使っている不動産や車両などに対応する相続税が、国へ担保を提供することを条件に納税が猶予されます。土地は 400 ㎡まで、建物は床面積が 800 ㎡までが対象となります。
事業を引き継いだ相続人が死亡の時まで事業用の不動産等を保有して事業を継続した場合には、猶予された税額は全額免除されます。
なお、個人事業者の事業用資産を贈与した場合にも、同様の納税猶予制度が作られました。
30歳未満の子や孫に1人当たり1,500万円を上限に、教育資金の贈与に係る贈与税を免除するという制度ですが、適用期限が 2 年延長されました。
ただし、子や孫の所得が 1,000 万円を超える場合はこの制度の適用ができなくなります。また、23歳以上の子や孫は、学校や教育訓練以外の習い事に対する支払は制度の対象外となりました。
この制度は、相続直前に利用することにより相続税対策になるのですが、贈与した親や祖父母の相続時に、贈与を受けた者が 23 歳以上で学校に在籍してなく、教育訓練も受けていない場合は、相続前 3 年内にこの制度により贈与された教育資金の未利用残額は相続税の対象になります。
法人が試験研究費の支出をした場合、法人税から一定額を控除することができますが、設立 10年以内の一定のベンチャー企業については、控除する上限額が拡大されます。
自動車にかかる自動車取得税は廃止、自動車重量税はエコカー減税を延長、自動車税及び軽自動車税はエコカーを除き増税になります。
国民健康保険税は課税限度額が 58 万円から 61万円に引き上げられます。
法人の所有する仮想通貨の期末評価は時価評価により評価損益を計上するようになります。
特定事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例において、相続開始前 3 年内に事業の用に供された宅地等(宅地上の事業用の建物の価額が宅地価額の 15%以上である場合は除きます)が除外されます。
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