安倍首相が来年 10 月 1 日から消費税率を予定通り 10%に引き上げることを表明しました。平成元年に 3%で始まった消費税ですが、30 年かけて10%に引き上げです。すべての物やサービスに一律に 10%の税率が適用されるのであれば分かりやすいのですが、8%という軽減税率が設けられていて、その分制度が複雑になっています。
来年 10 月 1 日からの消費税率は、10%(国税7.8%+地方税 2.2%)と軽減税率の 8%(国税6.24%+地方税 1.76%)と経過措置が設けられることから現行の 8%(国税 6.3%+地方税 1.7%)の 3 種類となります。
軽減税率の対象品目は、酒類、外食やケータリング等を除く飲食料品と週 2 回以上発行される新聞です。
飲食料品とは、人の飲用又は食用に供するものです。
外食とはテーブル、椅子等のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供で軽減税率の対象となりません。
ケータリング等とは、相手方の注文に応じて指定された場所で調理等を行うもので軽減税率の対象になりません。
テイクアウトや出前・宅配は単なる飲食料品の提供であり軽減税率の対象となります。
有料老人ホームでの食事の提供や学校給食は軽減税率の対象となります。
新聞には、電子版の新聞は含みません。
来年の 10 月 1 日以後に建物の引き渡しを受けたり、サービスの提供を受けるものであっても、一定の日までに契約を締結した工事や、一定の日までに料金をもらっているサービスなどについては、現行の 8%の税率が適用される措置のことです。
帳簿への記載事項は、今までの記載事項に加えて、軽減税率の対象品目であることが分かるように「※」や「☆」等のマークを帳簿に記載します。
請求書については、帳簿への記載と同様に軽減税率の対象品目であることが分かるようにすることと、税率ごとに合計した税込金額を記載する必要があります。これらの記載のない請求書を受取ったら不足事項を追記することもできます。
消費税額を計算するには、10%の対象となる売上と仕入、軽減税率 8%の対象となる売上と仕入を各々集計する必要があります。
しかし、基準期間(法人の場合は前々事業年度、個人の場合は前々年)の課税売上高が 5,000 万円以下の中小事業者に対しては、税額計算の特例を設けています。
一定の割合を売上や仕入に乗じて 10%が対象となる金額と 8%が対象となる金額を算出したり、簡易課税制度の適用を弾力的に認めるといった内容となります。
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