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MFクラウド会計

第255号 2015年08月

1.はじめに

私は32年前、独立開業前に勤務していた会計事務所で初めて会計専用機に出会いました。まだフロッピーディスクのない時代でした。仕訳を入力すると穿孔テープ(紙のテープに穴をあけるもの)が打ち出されるので、それを業者に持ち込み、元帳や試算表を出力してもらっていました。

その後、パソコンが普及して弥生会計やPCA会計などのパッケージ型の会計ソフトが出てきました。そしてインターネットの普及に伴い、ASPというインターネット環境があれば、どこからでもアクセス可能な会計ソフトも出てきましたが、人気は今ひとつでした。

そして近年、インターネット回線のスピードが飛躍的に向上したことに伴い、クラウド型と呼ばれる会計ソフトが注目を集めています。

2.クラウドって?

クラウドとは雲のことです。昔からネットワークを図で表現するときに雲の絵を使うことから、インターネットを介して各種サービスにアクセスし、利用することをクラウドと呼んでいるようです。

通常、ソフトウェアを利用する場合、パソコンやサーバーにインストールをするだけでなく、インターネット接続環境や社内ネットワーク環境を構築する必要があります。

クラウドでは、このような手間をかけなくても、インターネット経由で常に最新の各種アプリケーションを利用したり、データ共有をリアルタイムですることができるのです。

3.なぜクラウド会計が注目?

以前からあるASP会計とクラウド会計はほぼ同じものです。ASP会計は10年以上も前に世の中に出ましたが、鳴かず飛ばずの状況でした。

一方、クラウド会計は飛ぶ鳥を落とす勢いで利用者が増大しています。その理由は、銀行取引やクレジットカード取引などとのデータ連携にあります。

クラウド会計に、取引している銀行口座やクレジットカード情報を登録すると、取引明細を自動で取得し、そのデータに勘定科目を付けて自動で会計処理をしてくれるのです。もはや会計処理の自動化です。この機能が画期的なことから、今注目されているのです。

4.「MFクラウド会計」に注目

MFとは、マネーフォワードの略で、株式会社マネーフォワードが運営しているクラウドサービスです。

もともと家計簿ソフト「マネーフォワード」を運営していますが、この家計簿ソフトの機能を会計ソフトにまで強化してサービス提供しているのが「MFクラウド会計」です。

個人事業者と法人を対象としていて、今までの会計ソフトの常識を超えた機能を持っています。

5.取引データを自動収集

自動会計処理の元となる取引データを自動でソフトが収集します。金融機関の個人口座で100%、法人口座で95%対応しています。

クレジットカードは主要なカード会社すべてに対応、Edy・nanako・WAONなどの電子マネー、amazon・楽天などのインターネット通販、Airレジ・ラクレジなどのPOSにも対応しています。

ただし、金融機関においてはインターネットバンキングの利用が前提となります。

6.どのように収集するのか

金融機関を例にとると、インターネットバンキングのIDとパスワード(取引明細を見るためのIDとパスワード)を一度登録すると、毎日1回ソフトが新たな銀行取引を自動で取り込み、会計処理をします。

データを見るだけのIDとパスワードを登録するだけですので、預金が動かされるなどの心配はありません。

7.セキュリティ

インターネット経由だとセキュリティが心配になります。特に銀行取引やクレジットカード取引をソフトが自動で取り込みますので、その安全性が気になるところです。

マネーフォワード社の主要エンジニアは、金融機関出身であり、経験豊富なプロがシステム構築と運用をしているとのことです。

また、MONEX GROUPや三菱UFJキャピタルといった大手金融機関による出資があります。出資に当たり厳しいセキュリティのチェックをクリアしていることから、金融機関と同レベルの安全性があるといえます。

8.完全自動処理も夢ではない

「会計とは、現金や預金の入出金に誰でも分かる名前(勘定科目)を付けることです。」と私はお客様に説明をしています。

クラウド会計では、電子化された預金取引等は自動で取り込んで会計処理をしてくれます。しかし、現金で支払った交通費や飲食代などの現金取引は、ソフトが自動収集することができません。裏を返せば、現金取引をなくせばすべての取引を自動収集することが可能となります。

交通費はモバイルSuica、飲食代はクレジットカード、コンビニエンスストアでの買い物は電子マネーで支払いをすれば、現金取引はなくなりますので、会計処理の完全自動化も夢ではありません。

9.情報の共有ができる

クラウド会計は、インターネット環境があれば、いつどこからでもアクセスすることができ、データの共有が簡単にできます。

同一のデータを見ながらお客様と私どもが、居ながらにして打ち合わせをすることができます。

また、拠点が複数あっても、双方で会計処理をすることができ、双方で会計データをリアルタイムで見ることもできます。

10.米国では90%がクラウド会計

米国では会計ソフトを導入している事業者の90%がクラウド会計を利用しているといわれています。

日本でも米国同様の流れになるでしょう。もはや、IT技術の進歩による会計革命と言えます。

11.アトラスも推進します

アトラス総合事務所もこの流れの先を行くよう、クラウド会計を推進して参ります。「クラウド会計にしたい」とお考えのお客様は、当事務所担当者までご連絡ください。導入から運用までサポートさせていただきます。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士・行政書士 井上 修
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