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役員報酬の改正(No.2)

第148_1号 2006年8月

1.はじめに

平成18年4月1日開始事業年度より大幅改正された役員報酬に対する規定が適用されています(3月決算~7月決算の会社は既に適用)。だいぶ情報量も増え、国税庁からもQ&Aなど発表されています。 http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/houzin.htm

今回は、改正法の実務的な対応について説明します。

2.特殊支配同族会社について

特殊支配同族会社に該当すると業務主宰役員の役員報酬に係る給与所得控除額が、会社の所得に加算されます。特殊支配同族会社に該当する要件は、業務主宰役員とその身内等(業務主宰役員グループ)による90%以上の持株要件と、常務役員として過半数を占めている役員数要件があります。

(1)持株要件を外す

他人に11%の株を持たせる
業務主宰役員グループが90%以上の株を持たなければ特殊支配同族会社に該当しないわけですから、他人に11%の株を持ってもらえば形式的に適用除外になります。 しかし、税務の専門誌では「それは意図的な適用逃れとして見られるので注意が必要だ」と書かれています。
では、「11%ではなくて15%にしたら問題はないのか?」といった話も出てくるわけですが、そうしておいた方が無難であることは間違いないでしょう。
株を持たせる人にも注意が必要
また、業務主宰役員グループに含まれない、「6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族以外の人」に株を持ってもらう場合や、親しい知人に株を持ってもらう場合にも注意が必要になります。税法で「業務主宰役員グループの意思と同一の内容の議決権(株主総会で1票を投じる権利)を行使することに同意している者がある場合には、その者の有する議決権は業務主宰役員グループの有する議決権であるとみなす」と規定しているからです。つまり、業務主宰役員グループの意のままに株主総会で1票を投じる株主は、たとえ形式的に業務主宰役員グループに含まれない者であっても、実質的には業務主宰役員グループに含めて持株比率90%以上を判定するということです。

(2)役員数要件を外す

業務主宰役員関連者の総数が常務に従事する役員の過半数でなければ特殊支配同族会社に該当しません。

常務に従事する役員
常務に従事する役員とは、「会社の経営に関する業務を、役員として日常継続的に遂行する役員」と言うようです。
ですから非常勤役員や名前ばかりの役員は対象になりません。また、監査役や会計参与(新会社法でできた新役員で会計士や税理士がなる)も対象外とのことです。つまり、監査役や会計参与は、会社の監査や決算書の作成などに関する権限だけで、経営に対する権限は法律上ないからです。
使用人兼務役員に関しては、その者が会社の経営に加わっているかどうかの実態判断によるようですが、通常は対象外になるのではと言われています。
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