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労災保険の適用は

第138_2号 2005年10月

1. はじめに

労災保険に加入していない事業所で労災事故が発生した場合、事業主は労災保険給付額の一部又は全部を徴収されることになります。この給付額の徴収と労災保険の適用について説明します。

2.労災保険の適用は

従業員を1人でも雇用したら労災保険に加入しなければなりません。労災保険とは、仕事中にケガをしたり、仕事が原因で病気になったりしたとき、さらには通勤途上にケガをした場合に適用される保険です。

3.労災保険の給付は

労災保険の給付には主に次のようなものがあります。

療養に関する給付
労災指定病院で治療を受けることができます。
休業に関する給付
労働者が傷病で療養のため働くことができない日につき給付がなされます。現金給付です。
傷病に関する給付
療養開始から1年6ヶ月経っても治癒しない場合に年金として給付がなされます。
障害に関する給付
傷病は治ったが障害が残った場合に給付がなされます。障害の程度によって年金給付か一時金給付となります。
死亡した場合の給付
労働者が死亡した場合、その遺族に給付がなされます。基本的には年金給付となります。また、死亡した労働者の葬祭に関する費用も給付されます。

4.労災事故が発生したら

労働者が仕事中にケガをした場合、会社は「療養補償給付請求書」を作成し当該労働者に持たせます。当該労働者は労災指定病院で治療を受けます。このとき、健康保険証が使えませんので、会社が作成した請求書が健康保険証の代わりになります。

その後、労働者がケガで休業することになったら、休業に関する給付がなされることになります。

5.労災保険に加入していなかったら

会社が労災保険の加入手続きを行っていない期間に労災事故が発生した場合、「費用徴収」がなされることになります。「費用徴収」とは罰金のようなものです。加入手続きを行っていない期間に労災事故が発生し、労働者が「休業に関する給付」や「傷病に関する給付」、「障害に関する給付」を受けたとき、または、労働者の遺族が「死亡に関する給付」を受けたときに、事業主は「費用徴収」の対象となります。

6.徴収される費用の額は

11月1日から徴収金額が上がります。徴収される費用の額は次のようになります。

行政機関から労災保険加入の指導を受けたにもかかわらず、加入していない場合
給付された額の100%
行政機関から労災保険加入の指導を受けていないが、加入すべき日(労働者を1人でも雇入れた日)から1年経っても加入していない場合
給付された額の40%

以上の費用徴収は通勤途上の災害でも当然に適用されます。また、場合によっては給付額が何百万円、何千万円となるときもありますので、労災保険未適用事業主は早急に加入手続きをしましょう。

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