3月に製造業向けの派遣が解禁され、様々な業種への派遣が徐々に拡大しているようです。派遣とは一体どのような労働形態なのか簡単にまとめてみましょう。
事業主(派遣元)が自己の従業員を他人(派遣先)の指揮命令下で他人のための労働に従事させることをいいます。従って、雇用関係は事業主と従業員にあり、従業員と他人との間には雇用関係はありません。従業員は事業主と雇用関係を保ったまま他人の事業場で働くわけです。
派遣はどのような従業員を派遣するかによって2種類に分けることができます。従業員を登録しておき、仕事の条件に合った従業員をその都度派遣するものを一般労働者派遣(登録型)、自己の常時雇用する従業員を派遣するものを特定労働者派遣(常用型)といいます。一般労働者派遣を行う場合には許可が、特定労働者派遣を行う場合には届出が必要です。また、派遣元が、派遣先と従業員との雇用関係をとりもつことを予定して派遣する紹介予定派遣という形態もありますが、この事業を行うには労働者派遣事業と職業紹介事業の許可もしくは届出が必要です。
建設業務・警備業務・港湾運送業務について労働者派遣は認められていません。製造業は受け入れ期間が平成19年2月28日まで1年間(その後は3年間)と期間が制限されながらも、今年の3月から派遣が可能となりました。
派遣された従業員は派遣元と派遣先と関係をもって働くわけですが、派遣元と派遣先は従業員に対してどのような責任をもっているのでしょうか。派遣された従業員が実際に仕事をする事業場(派遣先)の労働条件に関するもの、例えば、労働時間・休憩・休日等の扱いに関しては派遣先が責任を負います。一方、派遣元は有給休暇・休日時間外労働の取り決め・賃金の管理等に関して責任を負います。
派遣の制限期間を超えて派遣を受けた場合や派遣の届出・許可のない事業場から派遣を受けた場合など、法律に違反した場合については是正勧告がなれ、それに従わない場合には企業名が公表されてしまうこととなります。
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