この4月1日から新消費税法が適用されます。前々年度の課税売上高が1千万円を超えると消費税の納税義務者となります。この改正で新たに消費税の納税義務者となる事業者は140万人とも言われています。
これだけでも「たいへんだ~」です。しかし、消費税の納税義務者となると、その後の方がもっと「たいへんだ~」になります。
消費税の納税義務者でない免税事業者であったときは、この売上は「消費税がかかるのか」、「かからないのか」、「輸出に該当するのか」などということを考える必要はありませんでした。ただ、正確な売上高を計上すればよかったのです。
しかし、消費税の納税義務者になると違います。一棟のマンションを所有して賃貸経営をしている場合でも、各マンションの1室毎に「居住用で貸しているのか」あるいは「事務所、又は店舗用として貸しているのか」ということを区別しなければなりません。
なぜならば、居住用であれば消費税は非課税となり、事務所・店舗用であれば消費税がかかってくるのです。
そして、家賃のほかに受け取る敷金・保証金や礼金、更新料についても消費税の判断が必要になります。
敷金や保証金は将来入居者に返金する額については消費税はかかりませんが、保証金の内「解約時20%は返却しない」といった契約の場合は、保証金の20%の額に対しては消費税がかかり、残りの80%の額に対しては消費税はかからないことになります。
礼金や更新料には消費税がかかります。
商品を仕入れたり、経費を支払ったり、資産を買ったりした場合にも、「この支払いは消費税がかかる」「かからない」を判断しなくてはなりません。
たとえば、駐車違反をして反則金を警察署に支払った場合でも、反則金自体は消費税はかかりませんが、反則金とともに支払ったレッカー代や駐車料金には消費税がかかることになるのです。
これはほんの一例ですが、このような消費税の判断が実務では必要になるのです。
売上の計上で「消費税がかかる」「消費税がかからない」、支払の取引で「消費税がかかる」「消費税がかからない」を取引ごとに経理処理する必要が出てきます。この処理は煩雑でたいへんです。
いままでの 「たいへんだ 」は消費税の申告を原則課税方式(預った消費税から支払った消費税を引いて消費税を計算)によった場合です。2年度前の課税売上高が5千万円以下の場合には、簡易課税方式(売上高に業種別の率を掛けて消費税を計算)によることもできます。この両方式では計算される消費税納税額が違います。ですからいずれが得かの損得計算をしなくてはなりません。それも原則として計算期間が開始する前にする必要があるのです。
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