突然の解雇では、労働者は再就職先を見つける時間もなく明日からの生活に困ってしまいます。そのため会社側が合理的な理由があり解雇ができる場合でも、即時解雇はできず、一定の猶予を与え解雇の予告をしなければなりません。
労働者からの退職の申し出は2週間前であればよいことにくらべ、会社からの解雇予告は少なくとも30日前にしなければなりません。
ただし、以下の者には解雇予告なしで、即時解雇をするができます。30日前に予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。
つまり使用者が解雇をする場合には、30日以上前に予告をするか、平均賃金の30日分以上を支払うことが必要です。
また、平均賃金を支払った日数だけ、予告期間を短縮することができ、20日前に予告する場合は10日分の平均賃金を支払えばよいように、解雇予告期間と解雇予告手当を足して30日以上の日数があればよいのです。
平均賃金は、解雇予告をした日以前3ヶ月間の給与をその総日数で割った額です。
7,692円×30日=230,760円
平成16年1月1日から就業規則の「退職に関する事項」に「解雇の事由」が含まれることになりました。
変更した就業規則は、改めて、労働基準監督署へ届出なければなりません。
退職証明書は解雇予告から退職するまでの間は請求できないため、労働者は退職するまでは解雇の理由を明示してもらえませんでした。
そこでトラブルの未然防止や早期解決を 図るため、平成16年1月1日から「解雇の理由についての証明書」が追加されました。
これは労働者が解雇の予告をされた日から退職までの間に請求した場合に、交付しなければならないものです。
しかし、その解雇以外の理由によって、退職した場合は、交付する義務はありません。
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