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賞与と源泉徴収

第112_2号 2003年08月

賞与に対する源泉税は給与の場合のように税額表ですぐに金額が示されず、算出率により計算することになります。

1.賞与の算出率の表

賞与に対する源泉税は原則として、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 」を用います。

甲欄と乙欄との区分は給与の場合と同様に 「給与所得者の扶養控除等申告書 」を提出している人は甲欄、同申告書を提出していない人あるいは 「従たる給与についての扶養控除等申告書 」を提出している人は乙欄の適用になります。

計算の手順は次のようになります。

  • 前月の社会保険料等控除後の給与等の金額および扶養親族等の数から算出率を求めます。(甲欄の場合)
  • ② 社会保険料控除後の賞与の額に算出率をかけて賞与に対する源泉税を求めます。
〈例〉
  • 前月の社会保険料控除後の給与の額 300,000円
  • 給与所得者の扶養親族等申告書を提出
  • 扶養親族は0
  • 社会保険料控除後の賞与の額 500,000円
〈計算〉
  • 賞与の算出率の表から300,000円に該当する賞与の金額に乗ずべき率は8%です。
  • 賞与の源泉税は
  • 500,000円×8%=40,000円

算出率は賞与の金額でなく、前月の給与の金額で決定されます。

2.算出率の表を用いない場合

上記の原則に対する例外的な場合があります。

①前月中に給与の支払がない場合

算出率の表は使用できませんので、給与の月額表を使用します。

まず、社会保険料控除後の賞与の額の1/6の金額を求め、給与の月額表から該当する源泉税を求めます。

その源泉税を6倍したものが賞与の源泉税となります。

賞与の計算期間が6ヶ月を超える場合はそれぞれ 1/12、12倍で計算します。

〈例〉
  • 給与所得者の扶養親族等申告書を提出
  • 扶養親族は0
  • 社会保険料控除後の賞与の額 500,000円
  • (計算期間6ヶ月)
〈計算〉
  • 500,000円×1/6=83,333円
  • 給与の月額表の甲欄から税額は0となり、したがって賞与の源泉税も0となります。

②賞与の額が前月中の給与の額の10倍を超える場合

この場合、前月の給与があっても算出率の表は用いず、給与の月額表を使用します。

計算手順は少々複雑となります。今のご時世このような賞与を受け取る人はあまりいないと思われますが、そのような方はご自分で調べてみてください。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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