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償却資産税

第105_2号 2011年1月

毎年1月31日までに、法定調書の提出とともに償却資産税の申告もしなければなりません。

1.償却資産税とは

償却資産税は市町村税である固定資産税の一種です。固定資産税は土地、家屋、償却資産の3つが課税対象です。

このうち土地、家屋については所有権移転登記等の事実により、または実地調査により所有状況を把握して、市町村がその評価額を決定して納税通知をその所有者に送ってきます。

償却資産の場合は所有者自らが償却資産の所有状況を申告して、その申告にもとづき市町村で評価額を決定します。

2.対象となる償却資産

課税対象となる償却資産は、法人または個人事業者がその事業の用に供している次の固定資産です。

  1. 構築物
  2. 機械及び装置
  3. 船舶
  4. 航空機
  5. 車両及び運搬具
  6. 工具 ・器具及び備品

3.償却資産の範囲

  1. 上記の償却資産は原則として、税務会計上減価償却の対象となるべき資産です。

    すなわち耐用年数1年以上かつ取得価額10万円以上の資産です。

    ただし、税務会計上いわゆる3年一括償却を行う20万円未満の資産については申告不要となります。

    また、10万円未満の資産でも税務会計上経費としないで資産に計上した場合は償却資産の申告の対象となってしまいます。

  2. 償却資産税の対象に車両及び運搬具とありますが、道府県税である自動車税または市町村税である軽自動車税の対象とされているものは償却資産税の対象となりません。

  3. 建物付属設備は家屋と構造上一体となっているものは家屋に含めて取り扱われますので、償却資産とはなりません。構造上一体となっていないもの、独立性の 強いものは償却資産として取り扱われます。

  4. 貸しビル、貸し店舗の賃借人が行った内装、造作設備等家屋と一体のものは原則として家屋に含めて取り扱われます。すなわち固定資産税は大家のほうで課税されますが、大家と賃借人双方により家屋から分離して償却資産として取り扱うように「固定資産税分離課税申出書」を提出することができます。

4.税額と免税点

(1)税額

税額は原則として次のように計算されます。

課税標準額(千円未満切捨て)×税率

課税標準とは、市町村で決定された1月1日現在の償却資産の評価額合計額をいいます。税率は、100分の1.4です。

(2)免税点

合計課税標準額が150万円未満の場合は、課税されません。150万円を超えた場合はその超えた部分だけが課税対象になるのではなく、150万円を含めたその全体の金額が課税対象とされます。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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