お金を金融機関から借りるにあたっての担保となる不動産もない中小企業にとっては、資金調達の方法は当然制限されたものとなっています。そこで、こういった中小企業の資金調達の間口を広げることを目的として創設されたのが、この売掛債権担保融資制度です。
要は、得意先に商品を売ったりして発生した売上代金回収の権利(売掛債権)を金融機関に預けて、その見返りとして融資を受けるといった仕組みです。
しかし、ただでさえ不良債権の追加発生に及び腰な金融機関が、回収不能になる可能性のある売掛債権を担保として積極的に融資するはずはありません。
そこで、担保となる売掛債権がもし回収不能になった場合に、借り入れた中小企業に代わって借入金の90%を金融機関に返済してくれる信用保証協会の保証制度が新たにできたのです。
借入れの担保として対象となる売掛債権は通常の事業者に対する売掛金、割賦販売代金債権、運送料債権、診療報酬債権、工事請負代金債権などです。
当然、売掛債権の相手先、つまり得意先の信用度が高ければ担保価値も高くなり、融資もスムーズに行くでしょう。公共工事の工事請負代金債権などは、相手先が国ですから超優良売掛債権と言えるでしょう。
この売掛債権の信用度によって借入金額の掛け目が決まります。掛け目は売掛債権の50%~90%となっています。掛け目50%とは、1千万円の売掛債権であれば、最大500万円の借入ができるということです。
個別保証方式は借入の都度、信用保証協会に借入申し込みをする方式で、根保証方式はあらかじめ1千万円といった借入限度額について保証を得ておき、1年間その限度内で反復して借入と返済ができる制度です。
借入金の返済は担保となった売掛債権が回収されてあらかじめ決められた金融機関の返済用の口座に入金されることによってなされます。
ですから、借入期間はその売掛債権の回収までの期間となるわけです。
売掛債権が回収できない場合は、信用保証協会が肩代りしてくれるといっても、その後、信用保証協会からの取立てがあることもお忘れなく。
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