住宅ローン控除の留意点
第082_2号 2001年2月
1.添付書類等の手続き
(1) 最初の年分
確定申告書に次の書類を添付します。
- ①「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
- 用紙は税務署に用意してあります。
- ②「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
- 銀行から交付を受けます。2ヶ所以上から借り入れている場合はすべての証明書が必要です。上記の名称の残高証明書を取り寄せます。一般の借入金残高証明ではだめです。
- ③ 住民票の写し
- 住宅取得後6ヶ月以内に居住の用に供していることの証明となります。
- ④ 家屋に関する書類
- イ.登記簿謄本
- ロ.請負契約書、売買契約書などの写し
家屋の取得日、取得対価、床面積を明らかにする書類です。
- ⑤家屋の敷地に関する書類
- イ.登記簿謄本
- ロ.売買契約書などの写し
敷地の取得日、取得対価を明らかにする書類です。
- ⑥ 増改築等の場合の書類
- イ.建築確認書の写し、検査済証の写し又は建築士から交付を受けた増改築証明書など
- ロ.増改築等をした家屋の登記簿謄本
- ハ.請負契約書の写しなど
増改築等をした年月日、費用の額、家屋の床面積を明らかにする書類です。
(2) 2年目以後の年分
- A.事業所得者等が確定申告で受ける場合
- 上記(1)の①および②の書類だけを添付することになります。
- B.給与所得者が年末調整で受ける場合
- 次の書類を勤務している会社等の給与の支払者に提出することが必要です。
- ①「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
- ②「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」および「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」
いずれも最初の年分で確定申告書の該当欄に控除証明書の交付を要すると記入した場合に税務署から郵送されます。
2.誤解しやすいポイント
- ①住宅取得の日
- 取得の日とは引渡しを受けた日をいいますが、通常は家屋の登記簿謄本に記載された新築年月日または売買年月日により判断されます。
- ②居住の用に供した日
- 通常は住民票の写しにより判断されます。何らかの事情で住民票の転入手続きが住宅取得から6ヶ月を過ぎてしまった場合は、電気・ガス・水道等公共料金の領収書などで6ヶ月以内にすでに入居している事実を証明する資料を合わせて提出します。
- ③家屋の床面積
- 適用要件の家屋の床面積50㎡以上の判定をする場合、登記簿上の床面積によります。店舗併用住宅の場合は店舗部分と住居部分を合わせた床面積で判定します。共有家屋の場合は共有持分だけの床面積でなく家屋全体の床面積で判定します。
- ④家屋の取得対価
- 家屋の取得対価は消費税込みの金額です。増改築等の場合の100万円を超えるかどうかも税込みで判定します。家屋と一体として取得する電気設備・給排水設備等の附属設備の対価も含まれます。
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修