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納付書の送付取りやめ

第360号 2024年5月

1.はじめに

国税庁は令和 6 年 5 月以降に送付する分から、e-Tax により申告書を提出している法人等について、納付書の事前送付を取りやめることとしました。地方自治体の対応はそれぞれ異なります。
 e-Tax により申告書を提出している法人の割合は91.1%であるため、納付の形態にかかわらず、大半の法人は納付書が届かないことになります。
 今までは中間納付など納付書が届くことにより、納税があることに気づき、納付していたケースもあるかと思いますが、今後は決算申告後に翌期の中間納付期限につき、スケジュール管理を徹底する必要がありますのでご注意ください。

2.キャッシュレス納付の推進

国税の納付方法は大きく分けて「現金納付」と「キャッシュレス納付」の 2 種類があり、現金納付とは金融機関等の窓口で納付する方法を指します。
 一方、キャッシュレス納付とは現金を使用しない納付方法を指し、ダイレクト納付、インターネットバンキング等納付、クレジットカード納付などがあります。
 現状、全体の 6 割近くは現金納付であり、キャッシュレス納付の割合は 35.9%となっています。
 平成 30 年度は 23.2%だったことを考えると、着実に増えていますが、まだまだというところでし ょうか。

3.ダイレクト納付

e-Tax により申告等をした後、即時又は期日指定で口座引落により納税することができます。利用に当たっては、事前に税務署へ利用届出書の提出(銀行印を押印した書面)が必要となり、利用開始まで 1 か月程度かかります。
 インターネットバンキングの契約がなくても利用できますが、GMO あおぞらネット銀行を除き、PayPay 銀行、楽天銀行などのインターネット専業 銀行は対応していないため、注意が必要です。

4.インターネットバンキング等納付

e-Tax により申告等をした後、納付番号などの納付情報を取得します。その番号をインターネットバンキング又は Pay-easy(ペイジー)対応 ATMで入力し、納税することができます。
 ダイレクト納付の手続きを行っていない場合やダイレクト納付に対応していない金融機関を利用する場合が想定されます。
 インターネットバンキング等納付の場合、振込限度額があるため、多額の納税の場合には注意が必要です。

5.クレジットカード納付

「国税クレジットカードお支払サイト」で直接納税情報を入力し、納税することができます。
 決済手数料がかかりますが、カードのポイントが付きます。また、資金繰りが悪くても納付期限までに手続きを終えていれば期限内納付となり、実際の支払を 1 か月以上先送りにできるというメリットがあります。
 クレジットカード納付の場合、利用可能額も含め、カードの決済可能額があるため、多額の納税の場合には注意が必要です。

6.おわりに

従来どおり、紙の納付書で納付をする場合、所轄税務署に納付書を取りに行っていただく必要がありますのでご留意ください。

アトラス総合事務所 税理士 黒川 洋介
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