株式会社は、出資者である株主が会社の所有者で、会社の経営は株主から株式会社の経営を委託された取締役がする仕組みになっています。株主には、たとえ一株しか所有していなくても様々な権利が認められています。ですから、「他人に株を持ってもらう」ということはかなりリスクがあり、そのリスクに対する管理もしなくてはなりません。
定款に「当会社の株式を譲渡するには、取締役会若しくは株主総会の承認を受けなければならない」とする譲渡制限の規定を入れるのはリスク管理上初歩の初歩です。
お金は出してもらいたいけれど、会社の経営には関与してもらいたくない場合には、議決権行使に制限のある株式を発行すると効果的です。
議決権とは、株主総会で1票を投じる権利のことですが、この議決権の行使に制限を設けると株主総会での決議に参加できないとともに、次のような株主総会に関連する事項に対する権利行使ができなくなります。
株主の権利を行使できる基準として、「議決権の割合」の他に「株式数の割合」を定めているものがあります。以下の株主としての権利は、発行済株式総数の3%以上の株数を所有する株主に認められている権利です。議決権を制限しても影響されない株主の権利なのです。
以上のように、株主には様々な権利が認められています。安易に出資を仰いで株主になってもらうと、思わぬリスクを背負いかねませんので、注意してください。
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