なかなか景気が良くなりません。先日、税務署の調査官に聞いたところ、黒字申告は全法人の20%以下とのことです。かなり厳しい数字です。これでは税収も落ち込みます。ますます広く確実に税収を確保できる消費税増税の論議に拍車がかかるのではないでしょうか。
そこで、注目度が今後増すことが確実な消費税について理解を深めていきましょう。
事業をまず個人事業で始めます。個人事業者が消費税の課税事業者になるのは、2年前の課税売上高が1千万円を超えた場合です。個人事業を始めて2年間は2年前の課税売上高がありませんのでその間は免税事業者となります。
そして、個人事業で2年間事業をやったら会社を設立しましょう。会社も個人事業と同じ理由で、資本金が1千万円未満であれば、2事業年度消費税の免税事業者となります。こうして最大4年間、いくら稼いでも消費税を申告して納税する必要はないのです。
個人事業でも会社でも、前々年度の課税売上高が5千万円以下の事業者は、簡易課税という消費税の計算方式を採用できます。
消費税は売上などで「預った消費税」から、仕入などで「支払った消費税」の差額を納税します。サービス業では、商品の仕入といったものはなく、給料が売上に対する原価となります。しかし、給料には消費税がかかりませんので、「支払った消費税」の額が「預った消費税」の額よりかなり少なくなって、その結果消費税の納税額は多くなります。
しかし簡易課税によると、サービス業の場合「預った消費税」の50%だけ「「支払った消費税」をあったことにして計算してくれるのです。かなりお得な計算方法となります。
400万円の給与を支払っても「「支払った消費税」はゼロですが、400万円の外注費を支払えば190,476円の「支払った消費税」が計上されます。
だからといって、従業員を就労実態が変わらないのに外注だといって外注費で経理処理してもそれは認められません。
別法人を作り、従業員をその法人に転籍させて、その法人に業務をやらせて外注費として支払えば外注費で処理できます。ただし、法人はペーパーカンパニーで、法人としての実態がないようなものはダメです。法人に支払う外注費の額を5千万円以下にすれば、法人は先ほど説明した簡易課税により消費税の納税額を計算できますので、消費税が有利になります。
消費税は利益に関係なく納税が生じますので、消費税の納税資金は計画的に運転資金とは別によけておきましょう。利息が非課税な納税準備預金に毎月納税資金をプールしておくのもひとつの方法です。
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