4月9日に過去最大の追加経済対策の骨格が決まりました。株の買取や雇用対策などで景気底割れを回避する経済対策です。
この経済対策には税制改正も含まれています。景気を良くするための改正ですが、以下その概要です。
贈与税の課税方式には暦年課税と相続時精算課税の2つがあります。
暦年課税は、年間の基礎控除額が110万円で、110万円までの贈与であれば贈与税は課税されません。
一方相続時精算課税は、特別控除額が2,500万円で、2,500万円までの贈与であれば贈与税は課税されません。ただし、贈与された財産は、贈与者である親の相続時には相続財産として取り込まれることになります。そして、相続時精算課税は住宅取得等のための資金の贈与には特別控除額に1,000万円の上乗せがあり、3,500万円の特別控除となります。
今回の改正では、住宅取得に充てるために資金の贈与を受けた場合には500万円の非課税枠が追加される予定です。
暦年課税では110万円+500万円の610万円まで非課税となり、相続時精算課税では、3,500万円+500万円の4,000万円までの贈与が非課税になります。
例えば、親から子に住宅取得資金として6,000万円の贈与があった場合、相続時精算課税における贈与税は次のように計算されます
(6,000万円-4,000万円)×20%=400万円
したがって贈与された子は、贈与税を除いた手取りで5,600万円の資金を手にすることができます。
この改正は、今年の1月の贈与に遡って2年間適用される予定です。
現在、資本金が1億円以下の中小企業における交際費は、400万円までの金額については90%の金額が法人の損金とされ、10%については損金に算入されません。400万円を超える交際費については全額損金に算入されません。
改正では、交際費が90%損金に算入される枠が400万円から600万円に引き上げられます。
今年の4月1日以後に終了する事業年度から適用される予定です。
企業が研究開発費を支出すると税金が安くなる制度があります。現行の制度では、その事業年度で計算された法人税額の20%までの税金が安くなりますが、これを法人税額の30%までとする改正です。
また、この限度額を超えた税額控除額は、現行では1年しか繰越せないのですが、改正では平成21年と22年度に発生した控除限度超過額は、24年度まで繰越して、その間の法人税額から控除することができるようになります。
まだ法案が成立していない状態ですが、この改正が景気回復のきっかけとなるとよいですね。
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