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平成21年度税制改正

第176_1号 2009年1月

1.はじめに

昨年の12月に平成21年度税制改正大綱が発表されました。その内容を説明します。

2.法人税率の引き下げ

資本金が1億円以下である中小法人等の法人税率は、所得が800万円以下は22%800万円超は30%の税率ですが、800万円以下の税率が22%から18%に引き下げられます。平成21年4月1日以後終了する事業年度から適用されますので、4月決算の会社が最初の適用になります。

3.欠損金の繰戻し還付制度

この制度は、当期が赤字で前期が黒字により納税があった場合、当期の赤字に見合う額だけ前期に納税した法人税を還付してもらう制度です。

現行では、設立の翌年から5年内に赤字を出した中小法人等だけに適用がありますが、改正後はすべての中小法人等が適用の対象になります。この改正は、平成21年2月1日以後に終了する事業年度から適用されますので、2月決算の会社が最初の適用になります。

4.非上場株の相続税の納税猶予

換金性のない非上場株式を、事業後継者が円滑に相続できるようにするための改正です。相続した非上場株式(発行済み株式の3分の2まで)課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予するという制度です。

5.非上場株の贈与税の納税猶予

事業後継者が現経営者から非上場株式の全部の贈与(発行済み株式の3分の2まで)を受けた場合に、その贈与税の全額の納税を猶予する制度です。

そして贈与者の相続時には、贈与された株式は贈与時の時価で相続税の対象になりますが、4.の相続税の納税猶予を適用することができます。

6.住宅ローン控除制度の拡充

平成21年に住宅ローンを組んで住宅を購入して居住を始めた場合には、最大50万円の所得税を10年間控除できます。

また、認定長期優良住宅を購入した場合には、最大60万円の所得税を10年間控除できます。

7.住宅ローンなしでも税額控除

住宅ローンを組まないで認定長期優良住宅を取得した場合にも最大100万円の所得税を控除できます。

また、一定の省エネ改修工事や一定のバリアフリー改修工事をローンなしで行った場合にも、最大20万円(太陽光発電装置の場合は最大30万円)の所得税を控除することができます。

8.その他の改正

土地取引の活性化のために今年と来年に取得した土地等を5年超所有後に譲渡した場合に最大1,000万円を譲渡益から控除できる制度ができます。

株式の配当と譲渡益に対する10%の軽減税率が平成23年までの3年間延長されました。

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