従業員が従事する業務には、労働時間を管理して、働いた時間に賃金を支払うことが馴染まないものが多くあります。
このような業務に従事する従業員には、裁量労働制で働いてもらうのがよいといえます。裁量労働制を導入すると、従業員は労働時間に縛られることなく、自分の裁量によって業務をこなすことができるようになります。また、会社は、裁量労働制導入時に決定した労働時間分の賃金を支払うことになります。その結果残業代の支払が抑制されます。
裁量労働制には、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制があります。
いずれの裁量労働制も、それぞれの裁量労働制の下で適用できる業種が決められています。
専門業務型裁量労働制を導入できるのは、主に次の業務に就く従業員に限られています。
専門業務型裁量労働制を導入するには、会社と従業員代表者との間で協定を結ばなければなりません。この協定を労使協定といいます。
労使協定では、業務の種類や労働時間などについて定めます。
企画業務型裁量労働制を導入できるのは、主に経営に関する計画を策定する業務や人事制度を策定する業務、財務に関する計画を策定する業務に就く従業員です。
企画業務型裁量労働制を導入するためには、会社を代表する者と従業員を代表する者とでつくられた労使委員会で、導入の対象になる業務の種類や対象従業員などを決めなければなりません。
専門業務型裁量労働制も企画業務型裁量労働制も、導入の際に、1日の労働時間を決めます。裁量労働制を導入すると、従業員が仕事をした日については、この労働時間を労働したものとみなされます。
例えば、1日の労働時間を8時間と決めると、従業員が15時間働いても、8時間の就業とみなされます。従って、会社は8時間分の賃金を支払えばよいことになります。
裁量労働制の導入には専門的な知識が必要です。導入の際にはアトラス総合事務所にご相談ください。
無断転用・転載を禁止します。