労働関係法では労働条件に関する様々な決まりごとを会社に義務付けています。これらの決まりごとは、労働基準監督署の調査の対象となります。調査を受けたときに困らないように、法律でどのようなことが義務付けられているのか、主なものを見てみましょう。
就業規則は、従業員を10人以上雇用する事業場ごとに作成し届出なければなりません。就業規則を作成したら、従業員代表者の意見を聞き、意見書を作成します。その後、就業規則と意見書、就業規則届を労働基準監督署へ届出なければなりません。
職場を規律し、トラブルを防止するために、就業規則は必要不可欠なものです。例えば二重就業の禁止や秘密保持、社内情報の取扱い、それらに違反する者に対する懲戒処分等を定めることにより、職場の規律を保持し、トラブルを未然に防ぐことができます。
労働時間は1日8時間、1週40時間を超えてはなりません。この労働時間を法定労働時間といいます。
従業員に法定労働時間を超える労働をさせるには、労使で時間外労働休日労働に関する協定を結び、労働基準監督署へ届出なければなりません。この協定は通常「36(サブロク)協定」と呼ばれているものです。
これを怠ると、従業員に法定労働時間を超える労働をさせると違法になります。
法定労働時間を超える労働や休日労働(1週1日の休日の労働)、深夜労働(22時か ら5時までの労働)をさせた場合、会社は割増賃金を支払わなければなりません。
法定労働時間を超える労働や深夜労働には2割5分増し以上、休日労働には3割5分増し以上の割増賃金の支払いが必要です。
割増賃金の定額払いは可能ですが、「定額の割増賃金額」が「法定の計算で算出した割増賃金額」を下回る場合は、その差額を支払わなければなりません。
従業員を雇入れたら労働者名簿を作成しなければなりません。労働者名簿への記載事項は次の通りです。
労働者名簿への記載事項は次の通りです。
従業員に賃金を支払う都度、賃金台帳に支払額などを記載しなければなりません。
賃金台帳への記載事項は次の通りです。
その他、従業員雇用時の労働条件明示や、健康診断の実施などが義務付けられています。
無断転用・転載を禁止します。