会社に行く途中、または会社から帰る途中に事故にあってケガをした場合、それは通勤災害となり「労災」の対象となります。このとき、治療の際には健康保険ではなく労災保険を使うことになります。しかし、通勤途中の事故であれば全て労災の対象となるわけではありません。
通勤災害となるのは、家と会社間での移動中(出社途中又は退社途中)に事故にあった場合です。ここでの「家」とは会社に行くための拠点となる住居をいい、「会社」とは仕事を開始し終了する場所、つまり、就業の場所をいいます。
出社途中や退社途中に寄り道をした場合、寄り道の種類(どのようなことをしたか)や程度によっては、通常の出社経路または退社経路を外れたことになります。このときにケガをしても通勤災害とならず、労災が適用になりません。
従業員の中には2つの会社で働いている方もいることでしょう。まずA会社で働き、その後、B会社へ行って働く場合、「家→A会社」と「B会社→家」の移動中の事故のみ通勤災害の対象とされています。(下図の①と③のみが対象)
しかし、4月1日からA会社からB会社への移動間での事故も通勤災害の対象とされることになります。(上図①③に加え③も対象となる)
単身赴任をしていて、週末は実家へ戻って休みを取り、週が明ける前に赴任先住居へ戻る場合はどのような扱いとなるのでしょうか。
赴任先住居と赴任先間の移動は通勤災害の対象となります。(上図①)また、4月1日から赴任先住居と帰省先間の移動も通勤災害の対象となります。(上図②)
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