厚生年金の支給年齢が65歳まで段階的に引き上げられているのは皆さんご存知だと思います。その年金の支給年齢の引き上げに合わせて、定年の引き上げも段階的に行われることになりました。
現在定年の定めをしている事業主は、高年齢者の雇用を確保するため、定年年齢が次のようになるような措置を講じなければなりません。
平成18年4月1日から事業主が講ずるべき具体的措置は次の通りです。平成18年4月1日から当分の間60歳に達する労働者がいなくても、これらのうちいずれかの措置を講じなければなりません。
継続雇用制度には一度退職した従業員を再び雇い入れる「再雇用制度」と定年年齢が過ぎても継続して雇用する「勤務延長制度」があります。就業規則等でどちらかを導入すれば上記2の要件を満たします。
労使協定(事業主と労働者代表との間で結ぶ協定)で労使の合意により継続雇用制度の対象となる高年齢者の基準を定め、その基準に基づく制度を導入することができます。「対象となる高年齢者の基準」は曖昧なものでなく具体的なものでなければなりません。例えば、「会社が認めたものに限る」といった基準は、基準が無いに等しいので適切ではありません。
事業主が上記協定を結ぶ努力をしたが協議が調わず合意に至らない場合は、とりあえず、就業規則等により継続雇用制度の対象となる高年齢者の基準を定め、その基準に基づく制度を導入すれば継続雇用のための措置を講じたとみなされます。ただし、この方法は常時雇用する労働者数が300人以下の中小企業については平成18年4月1日から5年間、その他の企業については3年間の特別措置です。
パートであるかフルタイムであるかなどの雇用条件については法令等に違反しない範囲で事業主と労働者の間で決定できます。
継続雇用制度の導入や定年の延長をした事業主には助成金が支給される可能性があります。制度導入後に受給資格があるか確かめてみましょう。
無断転用・転載を禁止します。