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所得税の必要経費あれこれ

第118_2号 2004年2月

1.はじめに

今年も確定申告のシーズン到来です。確定申告をする個人事業者の方にとって、この支払いは事業の経費、つまり必要経費になるのかどうかを判断することは重要なポイントです。今回は、必要経費になるのかどうかビミョウな支払項目について見てみましょう。

2.修繕積立金

ワンルームマンション経営をしている不動産所得者がマンションの管理組合に支払った修繕積立金は不動産所得の必要経費になるのでしょうか。

修繕積立金とは将来の大規模修繕に備えた積立金で、毎月管理費と一緒に支払うものです。名前が積立金とありますから、一見必要経費にならないのではないかと思われますが、以下のような要件を備えた修繕積立金であれば、支払時の必要経費とすることができます。

一定の管理規約に定められた方法により徴収され、マンションのオーナーに返還されることはなく、使用目的が将来の修繕のためと決まっていて、各オーナーの負担額が共有持分に応じた合理的なものであることです。

3.従業員がした駐車違反の罰金

たとえ業務を遂行するに当たって犯した駐車違反の罰金でも、それを事業主が負担した場合にはその事業の必要経費とはなりません。

しかし、罰金と共に徴収されたレッカー移動費用や駐車料金はその事業の必要経費となります。

4.ライオンズクラブの会費

ライオンズクラブは、社会奉仕を目的に事業活動を行っているもので、その会員の個人的な活動に過ぎないものとみられ、各会員が営む個人事業とは直接的に結びつかないものと考えられています。

したがって、ライオンズクラブの会費を会員の個人事業の必要経費とすることはできないことになります。

5.青空駐車場の土盛り費用

自分の空き地を青空駐車場として賃貸するための土盛り費用は駐車場経営の必要経費になるでしょうか?

答えはNOです。青空駐車場にするための土盛り費用はその土地の取得原価に算入され、不動産所得の必要経費とはなりません。

6.フランチャイズシステム加盟料

フランチャイズシステムの加盟料は、経営に関する指導、援助、一括仕入や加盟店の広告宣伝費用の負担金といったサービスの対価と考えられます。このようなサービスを受けるために支払った一時金は支出時の必要経費とはなりません。

税務上は繰延資産というものに該当し、支払った加盟料は5年間にわたってその5分の1の金額を各年度の必要経費とすることになります。

7.アパートの塗装費用

アパート全体をペンキや吹き付けで塗りなおした費用は、現状を維持するための費用として全額修繕費として必要経費に算入されます。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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