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扶養控除・配偶者控除

第116_2号 2003年12月

所得税は納税者の税負担能力に応じて課税します。これを応能負担の原則といいますが、扶養控除・配偶者控除はその原則に基づく典型的な規定です。

1.扶養控除

適用要件

  • 配偶者以外の親族(いわゆる里子や養護委託された老人を含む)
  • 納税者と生計を一にしている
  • 年間の合計所得金額が38万円以下である
  • 青色専従者の場合はその年に給与の支払を受けていないこと、又白色専従者の場合はその控除額の適用を受けないこと

適用金額

  • 一般の扶養親族 38万円
  • 特定扶養親族 63万円
    (特定扶養親族とはその年末において満16歳~22歳の扶養親族です。)
  • 老人扶養親族 48万円(同居老親等は58万円)
    (老人扶養親族とはその年末において満70歳以上の扶養親族です。また同居老親等とは納税者又はその配偶者の直系尊属で、同居を常としている者です。)
  • 同居特別障害者に該当する場合は上記の金額のそれぞれに35万円が加算されます。
    (同居特別障害者とは特別障害者の扶養親族で、納税者、その配偶者又は生計を一にしているその他の親族と同居を常としている者です。)
  • 障害者の場合は扶養控除とは別に障害者控除(一般障害者27万円、特別障害者40万円)があります。

2.配偶者控除

適用要件

納税者の配偶者(内縁関係を除く)であること以外は、扶養親族の場合の②~④と同様です。

適用金額

  • 一般の控除対象配偶者 38万円
  • 老人控除対象配偶者 48万円
    (老人控除対象配偶者とはその年末において満70歳以上の控除対象配偶者です。)
  • 同居特別障害者に該当する場合は上記の金額のそれぞれに35万円が加算されます。
  • 障害者の場合は配偶者控除とは別に障害者控除(一般障害者27万円、特別障害者40万円)があります。
  • 配偶者には配偶者控除のほかに配偶者特別控除があります。控除額は最高38万円で、配偶者の所得金額の増加に応じて控除額は減少します。
    適用される場合は、納税者自身の合計所得金額が1千万円以下で、その配偶者が次の場合です。
①控除対象配偶者に該当する場合
(改正により、この①の場合は平成16年分以降において廃止されます)
②控除対象配偶者に該当しない場合で年間の合計所得金額が76万円未満のとき

3.適用要件の判定時期

適用要件に該当するかどうかの判定時期は原則としてその年末の12月31日の現況で行いますが、次の場合にはそれぞれ次によります。

①納税者が死亡又は出国した場合
その死亡又は出国時の現況
②親族等が死亡した場合
その死亡時の現況
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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