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年末調整の集計

第115_2号 2003年11月

年末調整はいろいろな手続を行いますが、まず給与の集計をしなければ話がはじまりません。給与の集計に当たっての注意点あれこれです。

1.集計する範囲

集計するのは1月から12月の給与で支払の確定したものです。確定の日は所得税の取扱いで次のようになります。

①契約または慣習などにより支給日の定められている給与
…その定められている支給日
②支給日の定められていない給与
…その支給をした日

 20日締め25日払いの給与であれば、1月25日支払分から12月25日支払分までの集計となります。

末日締め翌月10日払いの給与であれば、1月10日支払分から12月10日支払分までの集計です。ここで注意したいのは、これは実際に労働した分としては昨年の12月分から本年の11月分だということです。本年の12月分は翌年1月10日に支払われますから翌年の集計に含まれます。

すなわち集計はいわゆる支給日基準で集計を行い、本年中に実際に労働した分の給与を集計するわけではありません。

ただし、集計には支給日において未払いとなっている分も含みます。本来12月10日に支払われるものが翌年に遅れて支払われても本年中の集計に入れなければなりません。

2.中途就職者などの取扱い

① 年の中途で就職した人

原則として年の中途で就職し、年末まで勤務している人は年末調整の対象となります。  学生の新卒など、明らかに入社以前に他から給与の支給を受けていなければ、その会社の給与を集計すればよいのですが、前職があり、他からの給与がある場合は、自社のものと合わせて集計しなければなりません。

この場合はその者から前職の源泉徴収票の提出を受ける必要があります。それができないということであれば、年末調整は見合わせることになります。そうしないで年末調整を行うと過大に税金を還付することになる可能性があるからです。  年末調整をしない場合は、本人に源泉徴収票を渡して、本人自ら確定申告をしてもらうことになります。

② 2か所以上から給与を受ける人

年末調整は原則として「扶養控除等申告書」を提出した、いわゆる甲欄適用者が対象です。

乙欄適用者は年末調整を行わず、本人には源泉徴収票を渡して確定申告をしてもらうことになります。

ただし、年の中途で同じ会社で乙欄から甲欄に変更した場合には、その会社の乙欄給与を含めて集計し、年末調整することができます。

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