一般の会社が欠損金を出せば、銀行のように公的資金の注入により救済されるということはありませんが、税金を安くできる制度があります。
欠損金が生じた事業年度から、翌事業年度以降5年間繰越して、その欠損金をその後の事業年度の所得金額から損金として控除できる制度です。
欠損金を生じた事業年度で青色の確定申告書を提出(期限後申告も含む)し、かつ、その後に連続して確定申告書を提出(期限後申告も含む)していなければなりません。
無申告の事業年度以降は、繰越控除は認められません。
次のいずれか少ない金額です。(古い年度のものから先に控除されます。)
(すでにこの制度で損金算入された金額または繰戻し還付で使用された金額は除きます。)
欠損金が生じた年度の翌5年間においてはどれほど利益を出してもその欠損金の範囲内であれば法人税は課税されません。
ですから、なんとしても翌5年間で欠損金に見合う利益を出すことが法人税の節税になります。
経営努力による業績の向上が本筋ですが、減価償却等の抑制、役員報酬の引下げ等も検討すべきです。
特に役員報酬の引下げは源泉所得税等の減少により、法人と個人合わせての税負担の減少を実現できます。
欠損金をその生じた事業年度の前1年以内の事業年度の所得金額に繰戻して、その欠損金に相当する法人税が還付される制度です。
つまり前年度は利益が出て法人税を納付したのだが、今年は欠損が出てしまったので、その欠損を前年度に持っていって、その分納付した税金を返してもらおうということです。
ただし、この制度は特定の場合を除き、平成16年3月31日までに終了する事業年度の欠損金について適用が停止されています。つまり、現在ほとんどの法人で利用できません。
この制度が利用できる特定の場合とは、解散、営業譲渡等の場合のほか次のような場合があります。
繰戻し還付を利用した場合は、必ずといっていいほど税務調査が行われますので、その点も考慮に入れなければなりません。
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