平成15年度の税制改正により相続時精算課税制度が今年の1月1日からスタートしました。身近な制度ですので、以下説明いたします。
親から子への贈与は贈与金額から基礎控除である110万円を控除した残りの額に10%~50%の税率を乗じた贈与税を税務署に申告することにより完結していました。
新制度は、親(65歳以上)から子(20歳以上)への贈与金額から2,500万円を控除した残りの額に20%の税率を掛けて贈与税の申告をします。そして、親の相続税の計算時にこの生前贈与の財産も相続財産に含めて相続税を計算し、生前に納めた税率20%の贈与税を相続税から差し引くことにより精算する仕組です。
(親から子への贈与)
親が死亡 | 親が死亡 | |
↓ | ↓ | |
相続財産に含める | 相続税から控除・精算 |
旧制度も生きており、両制度の選択ができます。
現行の相続税法では、相続税がかからない財産の金額(基礎控除)は以下の算式の額です。
配偶者と子供2人の計3人が相続人の場合には5,000万円+1,000万円×3人の8,000万円まで相続税がかかりません。
このケースで、新制度による生前贈与を死亡した父親が子供2人に2,500万円ずつしていたとします。
このように生前贈与財産は相続時の相続財産と合算されて相続税が計算されます。
新制度は本来相続によってもらう親の財産を生前中に先取りするという仕組の制度と理解されるとよいでしょう。
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