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個人型確定拠出年金

第101_1号 2002年9月

1.はじめに

確定拠出年金制度が昨年スタートしました。年金制度は将来受取る年金額が確定している確定給付年金と、受取る年金は運用次第で拠出する掛け金が確定している確定拠出年金の2つになりました。

確定拠出年金の内、個人型の確定拠出年金は個人事業者や会社経営者でも国民年金加入者であれば加入することができます。

2.加入できる人

(1) 国民年金の第1号被保険者
自営業者や20歳以上の学生、会社経営者及び従業員でも厚生年金でなく国民年金に加入していれば加入できます。
(2) 厚生年金だけの会社員
厚生年金基金や適格退職年金等を実施している会社の社員は加入できません。
厚生年金だけに加入している会社員の妻(国民年金第3号被保険者)や公務員も加入できません。

3.掛け金が所得控除になります

掛け金は国民年金の第1号被保険者が月額最高68,000円、厚生年金だけの会社員は月額最高15,000円を掛けることができます。

この掛け金は国民年金の掛け金と同様に社会保険料控除として全額所得控除されますので、個人の所得税と住民税の節税となります。

4.もらっても税金は優遇されています

給付は、一時金と年金があります。一時金で受取る場合は、退職所得とみなされ退職所得控除により税金が優遇されています。

25年掛けて1,500万円の一時金をもらっても引かれる税金は175千円だけです。

また、年金でもらうと公的年金控除の適用で税金が有利になります。

5.節税しながら資金運用ができる

確定拠出年金は掛け金を自分の意志で証券投資信託や貯蓄型商品などで自由に運用することができます。実際の運用はパソコンによりインターネットを通じていくらでも運用商品の入れ替えができます。財テク資金で節税ができて、将来の備えができるわけです。

6.3年以上掛けると脱退できない

掛け金を3年以上掛けると脱退できません。60歳になるまで据え置かれます。

7.手数料が年間6,300円程かかります

年間手数料が6,300円ほどかかりますので、少ない掛け金では負担が多くなります。

また、5年間くらい掛けてその後掛け金を支払わないと60歳になるまで手数料は毎年かかってきてしまい、掛け金が目減りします。

8.申込時に説明を受けます

申込時に制度や商品の説明に2~3時間かかります。商品の説明は難解で、あまりよく分かりませんが、これを聞かないと加入できない仕組になっています。

9.安全性なら国民年金基金

安全性を考えるなら確定給付年金である国民年金基金を選択すべきです。しかし、自分で運用を判断できて、運用額もいつも目に見える確定拠出年金も魅力的です。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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