重加算税とは「税金計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺい又は仮装した場合に課されるペナルティー」です。ペナルティーの内容は、追加して払う税額の35%と非常に重くなっています。
重加算税を課せられるということは、「税務修正の内容は、単なるうっかりミスではなく、計画的な脱税である」ということを意味します。
「隠ぺい」とは「事実を隠すこと」であり、「仮装」とは「事実を偽って他人を騙すこと」です。つまり、このようなことをして税金をごまかし、税務調査を受けて見つかると重加算税が課されます。
しかし、どのような行為が「仮装」又は「隠ぺい」にあたるかについては、納税者には明らかにされてはいませんでした。ところが今回その内容が公表され、明らかになりましたので以下説明いたします(法人税における取り扱いです)。
オモテ帳簿の他に、裏帳簿(いわゆるB勘)を作成しており、税務調査においてそれが発見されたということになれば、ほぼ100%の確率で重加算税が適用されます。
実体の無い領収書を作成したり、帳簿に架空の経費を記載したりすることが、これに該当します。
ある会社が売上をごまかすため、それを相手先で仕入に計上しないよう依頼したり、仕入の日付をズラして計上するよう依頼した場合で、相手方がそれに応じた場合でも、それが事実と明らかに異なっていれば、そのような行為は重加算税の適用対象になります。
売上の意図的な集計ミスなどがこれに該当します。単なる売上の集計ミスは対象となりません。
「脱漏」とは「桶に入れた雨水が漏れるように、それらが完全でない状態であることを知りながら、それをそのまま放置しておくこと」をいいます。
売上の漏れっぱなしを知りつつ放置してはいけないということです。
また、商品在庫などの棚卸資産を意図的に帳簿に計上せず、帳簿から除外した場合には重加算税の対象になるということです。
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