自社で使用するために購入した物品については、その購入金額により税務上の扱いが違います。全額費用となるのか、器具備品などの固定資産に計上して数年間にわたって減価償却費として費用計上するのか、その扱いは大きく異なります。しかし、その購入金額をどの単位で計るのかは一律ではありません。以下説明いたします。
上記の金額に当てはめる購入金額は購入物品の「通常の取引単位、使用単位」で判断します。
テーブル6万円、イス4脚8万円の応接セットです。テーブルとイスはそれぞれ10万円未満ですので消耗品費として費用計上できるでしょうか。
答えはNOです。応接セットの通常の取引単位はテーブルと椅子のセットであると考えられていますので、購入金額はセットの14万円とされ、一括償却資産となります。
9万円のデジタルカメラと2万円のメモリ-カードを購入した場合には、各々購入金額で判断して構いません。メモリーカードはデジカメ以外にパソコンにも使えることから、単独で購入金額判断をします。したがって、デジカメもメモリーカードも消耗品費で処理できます。
カーテンは1枚(3万円)で機能を有するものではなく、一つの部屋で数枚(15万円)が組み合わされてその効用を果たすものであるため、部屋ごとのカーテンの購入金額で判断します。
したがってこのカーテンは一括償却資産とされます。
間仕切りについてもパネル1枚(5万円)では独立した機能を有さず、数枚が組み合わされて間仕切りとしての機能を有することから、購入金額はパネル1枚ごとではなく、パネルを施設した状態(30万円)で判断することとなります。
したがってこの間仕切りは器具備品として計上されます。
ビデオのレンタルショップを開業するためレンタル用ビデオ500本を500万円(1本1万円)で購入しました。販売用でなくレンタル用ですから、購入金額が10万円未満であれば消耗品費となります。レンタルビデオの取引単位は1本毎であるため、1本当たりの購入金額で判断します。したがって500万円全額を消耗品費として費用処理できます。
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