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医療費控除

第081_2号 2001年1月

1.医療費控除とは?

本人や本人と生計を一緒にしている親族の医療費を支払った場合には、所得税における所得控除として次の金額を控除できます。

医療費控除額(200万円が限度)=A-B-C
  • A:対象となる医療費の金額
  • B:医療費を補てんする保険金等
  • C:10万円か、あるいは総所得金額等の5%のいずれか少ない金額

2.対象となる医療費

対象となる医療費について注意すべき主なポイントは次のとおりです。

①通院のための交通費

  • 通院のための電車代やバス代は対象となります。ただし税務署に認められるためには支払った都度記録を残しておくようにします。
  • タクシー代は病状によりバスや電車での移動が困難な場合には認められます。
  • 通院のためのマイカーのガソリン代や駐車代は認められません。

②健康診断・人間ドック費用

  • 健康診断や人間ドックにより病気が発見され引き続き治療を受ける場合は対象となり、異常がなければ対象となりません。

③買い薬代

  • 治療のために薬局で買った薬代は対象となります。ただし薬局には薬のほか日用雑貨や化粧品も販売していますから領収書に薬代の明細がない場合は薬の名前を記入しておきます。
  • 漢方薬は治療のためのもので医師の処方箋があるものは認められます。

④入院費

  • 差額ベッド代は医師の指示によるものであれば対象となります。
  • 看護資格をもつ看護人への報酬は対象となります。ただし単なる謝礼は対象となりません。

⑤その他

  • 優生保護法による妊娠中絶費用は対象となります。
  • 通常の近視や遠視のメガネ代は対象となりませんが、医師の処方箋がある白内障などの治療用のメガネ代は対象となります。
  • 治療のための温泉療養費は医師が書いた「温泉療養証明書」と領収書があれば認められます。
  • 寝たきり老人用のおむつ代は医師が書いた「おむつ使用証明書」と領収書があれば認められます。
  • 松葉杖や車椅子の代金は通院のため必要であれば認められます。
  • 治療のためのあんま代・ハリ代は対象となりますが、単なる健康維持のためのものは対象となりません。

3.医療費を補てんする保険金等

医療費控除は自己負担したものが対象となりますので、次の保険金等を医療費の金額からマイナスします。

①社会保険からの給付金
高額療養費や出産育児一時金など。ただし、傷病手当金や出産手当金は該当しません。
②民間の生命保険・損害保険からの給付金
医療保険金・傷害費用保険金や入院給付金など。ただし、傷病保険や所得補償保険など医療費の補てんを直接目的としないものは該当しません。
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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