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消費税の納税

第068_1号 1999年11月

1.滞納が増えている

そもそも消費税の仕組みは、商品などを売ったりして預った消費税から、商品等を仕入れたりして支払った消費税を差引いた残りの消費税を税務署に納税するものです。

したがって、預ったものをそのまま残しておけば納税に窮することはないのですが、ところがどっこい、今の経済情勢ではこの預った消費税も全て運転資金として使われてしまうのです。お札に「消費税分」とでも造幣局が印刷でもしてくれればよいのですが。

このようなことで、消費税の滞納は伸び率NO.1です。

制度上の問題もありますが、滞納しないための対策を考えてみましょう。

2.予定納税

  

事業年度の途中で予め消費税額を予納しておく制度が予定納税です。予定納税額は前事業年度の実績消費税額を基準として次のように定められています。

① 前事業年度の消費税額が400万円超の場合
→3ヶ月毎に前事業年度の消費税額の4分の1の額を予納します。
3月決算で、前事業年度の消費税額が800万円だとすると、8月・11月・2月に予定納税として200万円、合計600万円を予納することとなります。
② 前事業年度の消費税額が48万円超400万円以下の場合
→前期決算の申告期限の6ヶ月目に前事業年度の消費税額の2分の1の額を予納します。
3月決算で、前事業年度の消費税額が200万円だとすると、3月決算の税務申告期限は5月で、その6ヵ月後の11月に予定納税として100万円を予納することとなります。
前事業年度の消費税額が48万円以下の場合は予定納税はありません。

3.中間申告

上述した、前事業年度の消費税額の4分の1とか2分の1に代えて、当期の3ヶ月毎の実績や6ヵ月毎の実績をもとに仮決算をして消費税を予納するのが中間申告です。

前期に対して当期の売上が相当下落し、前期消費税を元にした予定申告では予納額が多すぎる場合などに、この中間申告をします。

4.課税期間の短縮

前事業年度の消費税額が400万円超でないと、消費税を年4回に分けて予定納税できません。

そこで、400万円未満だけれども、消費税を予め年4回に分けて分納したい場合に利用するのが、この消費税の課税期間を3ヶ月ごとに区切る課税期間の短縮です。年1度に払うより分割払いのほうが楽かもしれません。

5.消費税専用積金

 

消費税の納税を目的とした定期積金・定期預金が一部の金融機関で売り出されています。

これは消費税納税に目的が限定され、積立実績により消費税納税時に一定額を納税資金として融資してくれる商品です。まだ地方の信用金庫で取り扱っているくらいで、これからです。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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