リストラや失業率の増加など雇用不安が高まっている世の中ですが、解雇について基本的な法律上のポイントを押さえておきましょう。
退職とは、労働者側で雇用契約を終了する意思がある場合です。一方、解雇とは使用者側の一方的な意思で雇用契約を解除することです。
昨今ではリストラということで、詐欺、脅迫まがいの退職勧奨により、従業員を退職に追い込む会社もあるようです。
会社側としては、労働者が自分の意思で辞める退職扱いにしたいのです。解雇ということになると、その解雇がはたして法的に有効か無効かであとあと面倒な裁判沙汰になりかねないからです。
労働基準法では使用者が勝手に解雇できない解雇制限の規定を設けています。次に該当する場合は、労働基準監督署に認定を受けた場合以外は解雇できません。
以上のほか、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法においても、解雇を制限する規定が設けられています。
上記の解雇制限規定に該当しなければ使用者は労働者を自由に解雇できるかというと、そうはいきません。解雇するだけの正当事由が必要なのです。それは今までの裁判上の判例から要求されています。正当事由の例としては、
などです。
解雇制限規定に該当せず、解雇する正当事由がある場合にはじめて、解雇が実施されるわけですが、すんなり即時解雇というわけにはいきません。
労働基準法では、解雇の予告制度を設けています。
すなわち、使用者が労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告するか、即時解雇する場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。
ただし、日雇いや2ヶ月以内の短期間の労働者等は適用除外となります。
また、天災等により事業の継続が不可能な場合、労働者の責めに帰すべき懲戒解雇の場合には労働基準監督署の解雇予告除外認定を受けて、解雇予告制度を適用しないことができます。
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