「利益は出ているのに手許にお金がない」、「利益が出てないのに税金を納めることになってしまった」ということが間々あります。
利益とは、売上などの収益から人件費などの費用を差し引いたものを言います。
収支とは、ここではお金の入りを意味する収入から、お金の出を意味する支出を差し引いた残り(残ったお金)を言います。
所得とは、利益に税法上のプラスマイナスをしたもので、税率に掛け合わされるものを意味します。
以下この3者の関係について説明します。
「勘定合って銭足らず」とは、利益はプラスだが,収支がマイナスの状態を言います。売上を計上して収益を計上しても、その代金を取りっぱぐれて収入がない場合がその典型です。
利益が1億円出たので、そのお金で1億円の土地を買っても土地は費用とならず、利益は1億円のままです。しかし、収支はゼロです。これでは納税資金にも窮することとなります。通常このような状態になると金融機関から融資を受けることとなります。
しかし、貸し渋りの今日、簡単には借入できません。そこで、利益より収支を重視して考える「キャッシュフロー」が注目されることとなったのです。
「稼いだ金の範囲内で投資する」といった考えです。
税務署から芸能人やスポーツ選手の「所得番付」が毎年発表されます。
この「所得」ですが、これは税務用語で、税務上の儲けを意味しています。
法人税では決算書の利益に税務上のプラスマイナスをして「所得」を計算します。
そして納める税金は 「所得」 × 税率 により計算されます。
決算書の利益にプラスマイナスする項目の例として以下のようなものがあります。
雑収入で計上した法人税還付額。
決算書上は収益となっているが、税務上収益と見ないので利益からマイナスします。
ゴルフ場の大変儲かる仕事をして利益を計上したは良いが、売上代金の回収が換金不能なそのゴルフ場の会員権だったケース。
多額の利益を計上し、所得も多額で納税額も多額だが、資金が全くない状況で従業員の給料の支払も納税資金もない状況となりました。 ジャンジャン!
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