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減価償却資産の処理

第060_2号 1999年3月

1.はじめに

去年と今年の税制改正によって減価償却資産の取扱が複雑になりましたので、ここで整理しておきたいと思います。

2. 少額減価償却資産

減価償却資産について全額損金算入できる取得価額基準が20万円未満から10万円未満に引き下げられました。この改正は法人にあっては平成10年4月1日開始事業年度からです。個人事業者は平成11年1月1日からです。

10万円以上20万円未満の資産については、事業年度ごとに、一括して3年間で償却することができます。

このように、10万円以上20万円未満の資産は,20万円以上の減価償却資産とその扱いが違いますので,固定資産に「少額減価償却資産」といった新しい科目を設けて他の固定資産と区分する必要があります。

つまり、「少額減価償却資産」勘定に取得の都度10万円以上20万円未満の資産をためておき,決算でその金額を3分の1した額を減価償却費として損金で落とします。

3.情報通信機器の即時償却制度

平成11年4月1日から平成12年3月31日までの1年間に限り、個人事業者または法人が取得価額100万円未満の8種類の情報通信機器を取得した場合には、取得価額の全額の損金算入が認められることになります。

対象は,以下の情報通信機器です。

  1. 電子計算機
  2. デジタル複写機
  3. メモリー送受信機能付き普通紙ファクシミリ
  4. デジタル構内交換設備
  5. デジタルボタン電話設備
  6. 電子ファイリング設備
  7. マイクロフィルム設備
  8. ICカード利用設備

以上が,期間限定でとにかく100万円未満であれば、1年前にできた2.の「少額減価償却資産」に当たろうが,20万円を超えてようが、なんでもかんでも消耗品費として経費で落とせます。

4.情報通信機器等の投資減税

3.の「情報通信機器の即時償却」の対象資産が、100万円未満なのに対し、100万円以上の基準を設けているのがこの投資減税制度です。

適用期間は平成10年6月1日から1年間で、対象設備は、3.の8品目に冷暖房用機器と8トン以上の普通貨物自動車を加えたものです。

100万円以上(リースだと140万円以上)は、1設備でも同一種類の複数設備でもOKで、20万円のパソコン10台でもOKです。

この適用を受けると、購入額の7%の税額控除(その分税金を負けてくれる)か購入額の30%の特別償却(通常の減価償却より30%余計に減価償却費を計上できまる)ができます。

アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
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