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金融機関の用語

第055_1号 1998年10月

1.はじめに

金融不況の今日、新聞紙上では毎日金融取引に関するカタカナ語が氾濫しています。実際何の事かわからず読み流しているのではないでしょうか。

そこで、金融機関で使われている用語の意味を勉強してみようと思います。

2.用語

 
1.ポートフォリオ
もともと、「書類かばん」を意味する言葉ですが、金融機関では、「保有有価証券の一覧表」という意味で使われています。その意味は「危険性を極力回避し、かつ、より高い投資効果をあげる目的で分散投資をした資産の状態」です。
2.CB(転換社債)
Convertible Bondの略です。これは民間会社が発行した債券(社債)ですが、一定の条件のもとに途中でその会社の株式に転換できる権利が付いているものです。
3.ワラント債(新株引受権付社債)
所定の期間内に所定の条件でもって新株の発行を請求できる権利が付与された社債です。新株引受権行使後も社債は存続する点で転換社債とは異なります。
4.CP(コマーシャルペーパー)
信用力のある企業が短期資金調達のために無担保で発行する約束手形のことです。発行できるのは、信用力のある上場会社等に限られています。
5.ファクタリング
これは、自社の売掛債権を一括してファクターという債権買取業者に売却して早期に資金調達することです。ファクターは買い取った売掛債権を自ら債務者に請求して回収します。
6.CD(譲渡性預金)
Negotiable Certificate of Deposit の略で、「銀行等金融機関の発行する、自由に譲渡することができる期日指定方式の定期預金証書」のことです。
金利は金融市場の実勢を反映した自由金利となっており、短期金利の主要な指標となっています。
7.MMC(市場金利連動型預金)
Money Market Certificate の略で、短期金融市場の金利に連動して預金金利の上限が設定される準大口預金のことです。
8.ノンバンク
預金等を受け入れないで与信業務を営む会社で、信販会社、リース会社がその代表です。
9.ユニバーサル・バンキング
金融機関がその本体で普通銀行業務、長期信用業務、信託業務、証券業務など全ての金融証券業務を行うこと。
10.インターバンク市場
市場参加者が金融機関に限られている金融市場。
11.コール市場(call money market)
金融機関が日々の営業活動の過程で生じる支払準備の過不足を、金融機関相互間で調整するための、短期の資金取引が行われる市場のこと。
12.支払承諾(acceptance and guarantee)
銀行が取引先の債務を保証することで、一種の与信業務であり、信用を供与して保証料を取ることである。
取引先はわずかな保証料で十分な信用を得ることができる。

(imidas 集英社刊、公認会計士業務資料 日本公認会計士協会東京会刊 参照)
 
アトラス総合事務所 公認会計士・税理士 井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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